2024.6月 全国自然保護担当者会議 資料 (滋賀労山)
滋賀県勤労者山岳連盟所属:滋賀山友会が関係する風力発電のその後
(滋賀山友会自然保護部・倉内 2024.5.30.作成)
登山時報 秋号 NO581 日本勤労者山岳連盟季刊誌
特集「山岳自然環境の現状と課題、各地の自然保護活動より」に記事が掲載されました。
滋賀山友会・自然保護部 倉内光代
11月8日 滋賀県庁で記者会見。
11月10日 京都新聞 朝刊 風力発電「生態系が損なわれる」
11月20日 朝日新聞 朝刊 風力発電 「生態系壊す」計画予定地に原生林問題点指摘
11月20日 滋賀民報 風力発電で森と生態系を壊さないで
11月22日 中日新聞 朝刊 風力発電建設 必要性問う 23日~25日 大津でパネル展
10月29日 森林保護 事業者へ課税 宮城県 条例制定 青森県 導入検討
11月17日 共同通信 宮城県の再エネ規制税 国が同意
11月25日 朝日新聞福井版 県境の風力発電 問題点考えて
11月25日 福井新聞 若狭町長 三十三間山風力発電計画に 反対表明
12月4日 滋賀民報 11月24日来訪、パネル展記事掲載(12月3日号に)
会場でのアンケート結果のまとめ
登山時報の記事に関連した、パネル展を下記の内容で開催します。終了しました
お知らせ
余呉南越前ウインドファーム予定地の観察 報告
2023年4月27日(木) 天候―晴れ
参加者 K内・S口・M田・M宮・O田 5名
予定
集合 M内宅6:00(M田)-6:30坂本平和堂(K内)―7:00堅田米プラザ(O田)―
8:00朽木本陣(S口)―9:00栃ノ木峠 アクセス R161―R365―栃ノ木峠
コース 栃ノ木峠…音波山(872m)…下谷山(971m)ピストン
コースタイム
堅田米プラザ6:53―(R477)―途中―(R367)-7:33朽木新本陣7:51-(R367)―保坂―(R303)―梅原口―(K534)-日置前王塚―(R161)-疋田―(K140)-雁ケ谷―(R365)-9:05栃ノ木峠(540m・地蔵堂駐車地)9:23…9:36衣類調整休憩9:39…9:56作業林道出合(710m)10:00…10:28電波塔(三角点765.0m・栃ノ木)…10:39鉄塔(790m・休憩)10:50…10:58鉄塔(800m・福井県側展望地)11:02…11:11風況観測柱(810m・15号風力発電機予定地)11:14…11:33音波山(三角点872.6m・昼食)12:01…12:18(900m・林道作業終了地点)…13:04半明ルート分岐の北ピーク(930m・休憩)13:16…13:21(920m・鞍部で半明ルート分岐点探し)13:27…13:43下谷山ピーク(971m)…13:44下谷山展望地13:52…14:01(920m・半明ルート分岐想定鞍部)…14:20休憩14:27…14:48(900m・林道作業終了地点)…14:59(850m・音波山ピーク下の林道)15:05…15:16風況観測柱(810m・15号風力発電機予定地)…15:35電波塔(三角点765.0m・栃ノ木)…15:47鉄塔(730m)15:51…16:01登山道出合(710m)16:05…16:21鉄塔(610m)…16:31登山口R365(510m)16:35…16:45栃ノ木峠(540m・地蔵堂駐車地)16:54―(R367)―木之本IC口―(R8)―17:29塩津―(R303)―17:38野口―(R161)―弘川―(R303)―18:04保坂―(R367)―18:15朽木新本陣18:23―真野IC口―(R477)―19:05堅田米プラザ
昨年10月に確認した風況観測柱(810m・15号風力機予定地)までの林道工事が、今回何処まで延長されたかを確かめるのが今回の目的。
栃ノ木峠南の地蔵堂駐車地から東へヤブ尾根を直登。登山道出合から先の作業林道出合から県境稜線沿いの風力発電作業の林道が続く。前回の作業道終了点だった、風況観測柱が今回新たに建設されている。作業用林道が更に幅広く延長され続く。音波山ピーク下を巻き18号風力発電機予定地先でブナ伐採跡を残したままの作業道終了点を確認。下谷山までの稜線は刈払いされピンクと青色テープ表示が続き、林床はイワウチワが足の踏み場も無いくらい群生地。新緑のブナ林が何処までも続く別天地。下谷山手前の半明登山道分岐点を今回も注意して探すが確認できないまま山頂へ上がり、ピーク東寄りの下谷山展望地で展望を楽しんだ後ソソクサと下山。登りは4時間21分かかったのに下山は2時間53分、皆さんの66%での逃げ足の速さについていくのが精一杯だった。
今回気になったのは、稜線の作業道工事が殆ど県境稜線の尾根芯から滋賀県側に共通してることと、崖面の赤土層が意外と厚かったこと。 栃ノ木峠から下谷山の県境稜線しか見てこなかったが、風力発電計画地はこの何倍もの距離に広がっている。こんなやり方でブナ林を大量に切り刻む自然破壊の様子が想像できた。
(記 2023年4月30日 O田)
滋賀山友会・熊森滋賀県支部共催
第2回 三十三間山 風力発電計画地調査山行の 報告
●実施日:2022 年12月4日(日) 天候:午前中曇り、昼前からみぞれ交じりの雨
●集合時間・場所:熊川宿8:45→今津・天増川集落の本所橋付近9:00
●参加者:青木繁(講師)、山友会・M野、熊森ほか・M川、K村、O田じ(報告)、N西さ、
●コースタイム:8:45熊川宿―天増川村・本所橋駐車場(130m)9:15―(谷筋での稀少種探索7回)―10:40高島トレイル登山口(340m)―11:35林道鞍部―11:42電波塔跡駐車地(726m・昼食)12:15…13:10大日(750.9m)13:20…13:45電波塔跡駐車地(726m)14:00―15:20天増川村・本所橋駐車場(手打ちそば天増川で食事後17:30解散)
●記録:
11月6日(日)が第1回の三十三間山調査山行。第2回が予定された11月20日は雨で中止。12月4日(日)の実施となった。
熊川宿8時45分集合、青木先生交えて打合せ後、車4台が天増川本所橋駐車地へ移動。青木車にM野・O田の3名乗車、K村車にM川・N西の3名乗車で天増川集落を出発。目的は「環境省の準絶滅危惧種」の有無の確認。路面荒れた天増川林道を上流へ北上。今日は日曜日なのに作業車が多く駐車しており、鉄塔建て替え?関連作業なのか現場が見受けられる。そんな中を、壁の様に切り立つ絶壁から安定した水が流れ落ちるシケッタ草地を、丹念に停車しながら調査。1時間40分後の7回目で稀少種を発見。20分近くジックリ観察できた。
雨雲に覆われ雨がポツポツ降り始める。作業車が先行したワダチ残る雪の林道を用心しながら上流へ上がると、林道終点の標高726m電波塔跡の広い空地に昼前到着。作業車1台が残置。周辺は全て伐り払われた裸地で、北北東方面への尾根沿いに新たな広い林道分岐が現認できる。衛星画像を見ても186m下の高圧鉄塔迄確認できる。短い昼食休憩後、大日尾根に向け、車から降りて探索開始。
観察目的はブナの着生植物。緩やかな稜線道のアップダウン、シャーベット状雪面を滑らぬよう注意しながら、雨中歩行。ブナだけでなくマルバマンサク・ベニドウダンツツジ・アズキナシ・ナツツバキ等の巨木や株立ち樹木が多く残る。巨木は境界目印、株立ちや伏し状は強風や雪重等の青木先生の説明聞く。周りの樹木にコード番号入りのテープが沢山見受けられ、白色と黄色に区画を分けている。大日まで細い紐が引かれ資材運搬用のケーブルも設置してある。近い内に伐採して大日高圧鉄塔まで作業道を付ける恐れを感じた。
目的だった大日周辺のブナ巨木は、新たな巨大高圧鉄塔建設で回りの巨木は伐採で、乾燥化して周辺のブナに着生植物が見られなかった。750.9m大日3等三角点の地点に真っ新の巨大高圧鉄塔が最近建設した為、M野さんと捜索したが見付けること出来なかった。過去に歩いた時ブナ林内の道ど真中に三角点が有ったことをおぼえている。みぞれ交じりの雨の中をソソクサと戻る。
電波塔跡地から車での帰路は途中下車無しで17km林道を1時間21分で天増川集落へ戻り、「手打ちそば天増川」で天ぷらそばセットを頂きながら、地域の話を盛りだくさん聞かせてもらい、2時間余り楽しんだ後、現地解散。
記録: O田
●三十三間山、余呉南越前の風力発電計画の状況
調査山行の翌日12/5、滋賀県庁で滋賀県環境影響評価審査会があり数人で傍聴に行ってきました。
①余呉南越前風力発電計画:準備書段階での業者GPIと審議会のやり取り、
②三十三間山風力発電計画:始まったばかりの計画。別の業者ですが風況観測機が立ちデータ収集が始まっています。
②の方は、地元の高島市議会の反対もあり、早い段階でみんなが動き始めたので、ストップできる可能性があるような気がします。
傍聴参加者の感想
〇余呉南越前の方は、事業者は相変わらずで、委員の鋭い指摘をかわす能力だけはたけていました。
常に可能な限りという表現で逃げている。
目玉シールと塗装で、バードストライクが防げると事業者も本当は思ってないのだと思うがそんな事はおくびにもださない、事後調査の具体策と問われてもお茶を濁す答え。
委員からは、植生の連続性の確保、大きな木だけを残せばいいというものでは無い!分断が生む結果の予測は?という問いにも答えない
最後審査会委員長から
今日の審査会意見ではまだ少し委員と事業者ではギャップがある。が、枠組みに中でこれを大幅に越える回答は無いと考えるのでここら辺で区切りをつける。
自然環境保全課で意見集約して2月13日審査会意見をまとめる。
ここで区切りをつけて自然保護課と公聴会の意見を聞いて審査会を開いて終わる。
との発言がありました。
〇三十三間山風力発電事業にかかる配慮書に対しては審査会意見書案まで進みました。また、参考資料2-3で高島市長が滋賀県知事に意見書提出。
懸念事項があるため三十三間山風力発電事業については賛成出来ないものといたします、としています。
傍聴には高島市環境政策課長も来ていました。
15日には市民から出された請願の審議が産業常任委員会であります。
〇事業者自身が現地調査した結果に対して「市民からの意見に配慮する」という環境アセスメントの仕組み自体がオカシイと思います。しかも実際に調査しているのは環境アセスメントの突破をウリにしている別の業者ですしこの制度の元では何を指摘しても逃げるが勝ちになってしまい意味がないと思います。
〇GPIのやり方を見ていて思うのですが、審査会の審議は、彼らにとってはただの通過儀礼。淡々とのらりくらりとやり過ごし、現場では、審議内容など全く無視して、工事が進められていきます。
現地を歩いてみるとそれが良く分かり、無力感に襲われます。ブナ林自体には罪はないものの、林道が視野に入る緑の回廊は、歩いていても悲しくなるばかりです。
個人山行 野坂・折戸谷林道~新庄乗越~・806~風況観測機 2022.11.18 晴れ
●参加者: K内(記録・車軽)、他1人
●コース・タイム:5:00大津発→6:30熊川宿→7:00JR小浜線美浜駅→(コンビニ7:30)→松屋
→粟柄関所跡→赤坂山登山口→8:15折戸谷林道P(送電線下広場)8:30~枝谷出合~9:20新庄乗越
~9:50・661~(谷源頭をトラバース)~鞍部11:35~11:50風況観測機12:30~12:45・806
~駐車場所14:35→粟柄関所跡→15:10松屋→15:30JR美浜駅→16:10熊川宿→(R161)→18:50大津
●記録:朝日新聞記者N山さんを案内して、久しぶりに野坂の風力発電計画地に入った。崩落のため通れなかった林道も通行可。路上に落石があったが、何とか折戸谷林道終点まで行くことができた。林道途中の広場に、鉄パイプなどの資材がヘリコプターで降ろされていた。(関電用?)
本流も枝谷も水量は少なく歩き易かった。葉を落としたブナ林の中、赤や黄色のモミジの彩が美しい。・806ピークを間違えるなど、考えられない道迷いをして、1時間近く浪費した挙句、正午に目的の風況観測機着。N山さんはカメラやビデオで丁寧に観測機周辺と伐採された木々を撮影。ついでに観測機と伐採巨木をバックに取材を受けた。
観測機と・806の間は、夏場なら低木のブッシュで道が分かりにくいのだが、冬枯れのこの時期、足元もピンクリボンも良く見え歩き易かった。ただ・661より下では鹿の食べないエゾユズリハが繁り、何度か違う尾根に入りかけた。
今日中に東京に帰りたいというN山さんを3時半に美浜駅で降ろし、熊川宿経由、R161で大津へ。土日ではなかったが白髭神社付近が大渋滞。1時間以上帰宅が遅れた。金曜日でも要注意です。
●感想:
〇工事進捗状況・・作業道を伸ばすためのピンクリボンが、・661~・806、観測機周辺、芦谷山(・866)へ向けて、うるさいほど付けられていた。作業の速いGPIのことだから来春には道ができているのではないかと懸念する。
〇質問に答える形で、取材を受けた。CO2削減のために木を切ることの矛盾。電力消費を抑えるために自分たちの生活を見直すことが先決ではないか、という話はOKをもらえた。
尾根上の木を切ることで地元の土砂災害の危険が増す、低周波による健康被害が起きるかもしれない、など風力発電の負の部分がちゃんと住民に説明されていないこと。福井県という原発依存県での反対の動きの難しさ。他府県の者がいくら声を挙げても、行政にも地元新聞にも取り上げてもらうのは難しい、ことなどは、全国紙では書いても共感は得にくいらしく、話は聞いてもらえたが取材内容には多分入っていない。(笑)
滋賀山友会・熊森滋賀県支部共催
三十三間山 風力発電計画地調査山行の 報告
日時 2022 年11月6日(日)天候―終日穏かな快晴
予定 熊川宿8:30→今津・天増川集落9:00→林道終点P~電波塔跡地~三十三間山(大日~轆轤山尾根の様子を観察・記録)→往路を下山する。
参加者 講師・A木繁、K内、Y田ひ、M田、M川、K村、O田じ(報告) 計7名
コースタイム
近江大橋米プラザ7:40―R161経由―8:10藤樹の里―8:22広川―8:32保坂―8:39熊川宿8:51-8:59天増川村・本所橋9:08―ゲート9:10―常緑樹と針葉樹混在の特殊な雪崩防止林観察地―9:25アブラギリ観察地―イブキトリカブト観察地―10:07轆轤村跡観察地―10:25アシュウスギ観察地―10:45トチ観察地―10:52氾濫原のハンノキ観察地―11:02氾濫原観察地―11:12天増川林道の峠(補食休憩)11:41…12:16能登越12:25…12:34P695北の分岐(昼食休憩)12:48…13:26標高785mの展望地(時間切れでバック)13:56…14:19能登越…14:42天増川林道の峠14:59―15:09熊ハギ観察地―16:01天増川村・本所橋16:13―16:19熊川宿16:31―R367朽木経由―17:48近江大橋米プラザ
穏かな晴天のもとで紅葉時期に恵まれてユッタリと楽しめた観察会。天増川村の区長さんに林道ゲートを開けてもらい出発。途端に未舗装林道。天増川沿いを源頭の鞍部まで8.2km区間がほとんど水の溜まった穴ぼこだらけの路面。荷物満載の軽トラ運転のA木車の先導で、4名乗軽乗用車運転のK内車、2名乗普通車運転のK村車の3台が15~20キロ速度で最徐行運転で進む。途中には廃村の「梨子木村跡」「六ッ石村跡」「轆轤村跡」「水谷村跡」が残る急峻な谷。所々で車止めてA木先生の樹木観察と説明を聞きながら2時間かかって鞍部に到着駐車。
三十三間山の北尾根登山道を鞍部から3km先の山頂まで穏かなアップダウン尾根道を出発。この秋一番の紅葉を楽しみながら、A木先生の落ち葉を見ながら樹木解説を聞く。記録担当者2名がメモを続ける。能登越では展望が一気に広がり日本海の若狭湾と山々一望、反対側は大日から大御影山の稜線の紅葉が眩しい。更にテープ目印に先導されるよう三十三間山を目指すが約1.5km先の標高785m展望地で時間切れとなる。右手は日本海若狭湾の先に丹後半島が、正面に三十三間山が、左手には大御影山稜線から三重嶽や近江武奈ヶ岳の大展望地を楽しんだ後引き返す。名残り惜しみつつ傾いた夕日に輝く紅葉の樹林下をA木先生の説明交え林道鞍部に戻る。天増川林道の帰りは説明回数が少なくなったこともあり半分の1時間で天増川村ゲートへ戻った。(記録・O田)
●山友会のいろいろな山行が重なったせいもあって、M田さんが広く声掛けをしてくれたが、先生を含む7名の山行となった。
天増川の長い林道も、各所で先生の説明を聞きながら辿るとあっという間。天増川集落の裏山にある雪崩防止の山(不抜林だったため、貴重な植物が残っている)、廃村になった集落跡の確認(石垣が残る)、ハンノキが茂る貴重な氾濫原(流入する水が減り、乾燥が進む)、水辺の栃の木は何故落葉が遅いのか、など興味深い話がいろいろ聞けた。
●先生、K村さんから貴重な資料を提供していただいた。(写真参照)
・「江州高嶋郡 あます川」・・天増川沿いの集落の歴史。現在残るのは、入口の天増川のみ。各村が廃村になった原因、50年ごとに起こると言い伝えのある水害の記録(明治29年には、山林の乱伐により大被害、との記載もあった)など。
・「湖国と文化」の『ブナの森で考える』が載る号のバックナンバー・・ブナ林がたどってきた歴史を春夏秋冬4回シリーズでA木先生が連載された。
・「日本のムダ 徳山ダムの話」・・ブナ伐採だけにとらわれず、広く背景を勉強するために先生が推薦された本。
風力発電のことをもっと知って 風力発展計画に待った
個人山行 三十三間山~轆轤山の風力発電計画地の観察 2022.10.18 曇りのち雨
●参加者: M内(車)、M田、K川、K内(記録)
●コース・タイム:
〇アクセス:
往路・6:30坂本大宮川観光駐車場→R161(海津まで行ってしまい引き返す)→R303→8:10熊川宿
→(わかさC.C.)→8:20倉見三十三間山登山口
復路・倉見三十三間山登山口→(わかさC.C.)→熊川宿(昼食)→保坂→R303→広川→R161
→坂本大宮側川観光駐車場
〇倉見三十三間山登山口8:30~・301 9:30~夫婦松10:00~風神11:00~三十三間山11:20
~(北尾根一部)~三十三間山~風神~・301 13:10~13:50倉見三十三間山登山口14:00発
●記録:
10/31締め切りの三十三間山~轆轤山・風力発電計画環境配慮書の意見書提出に間に合うよう、現地観察を計画した。滋賀県北部の降水確率が20%になったので行けると判断。登りは曇り空、予想以上に暑く、風もあったが汗だく。風神を経て県境尾根に立つと、轆轤山~三十三間山の尾根が一望できた。低木すらない草原が続く。大谷山~寒風の尾根によく似ている。風のせいなのだろうか?
轆轤山方面には風況観測機は見当たらず、三十三間山の近くに立っていた。標高781m、三十三間山までは15分くらいの位置。添付の看板写真で分かるように、一枚は国有林借り受けの看板。申請者は(株)ジャパンエンジニアリング、用途:風況観測機、期間はR4.3.17~R6.3.31。もう一枚は、福井県が出した「保安林内作業許可済証」。R2.21~R6.3.31。野坂・庄部谷山~芦谷山のGPIによる風況観測機は、ブナ巨木を伐採して設置されたが、三十三間山の方は草原なので伐採の必要はなかったようで、知らぬ間に機材空輸で簡単に設置されてしまった。
気を取り直して、少し黄葉が始まっている三十三間山へ。山頂にはブナ林が広がっていた。野坂は巨木林、下谷山は瀟洒な美人ブナ林、三十三間山はちょっと野性的。それぞれで様子が異なるのが面白い。
霧が出てきて幻想的な雰囲気になってきた。取り合えず北尾根に入り樹木の様子を見ることに。最初の鞍部への急こう配地点で引き返し、山頂に戻り昼食をとろうとしたが、雲行きが怪しい。遂に降り始めて、結局轆轤山方面へは進むことができず、雨具を着け下山を急ぐ。小降りになったと思って食べ始めた途端にいよいよ本降りに。倉見の登山口までずっと降られっぱなしだった。
帰路大津付近では道路は全く濡れておらず、日本海側だけの雨だったようだ。「弁当忘れても傘忘れるな!」、裏日本で育っていながらこの格言を忘れていた。相変わらずの天気の読みの甘さ。猛省・・。
●自然保護部会より、意見書提出のお願い:
高島市の住民で山愛好家の人から、三十三間山にも風力発電が計画されているとの連絡を頂いたのは9月末。やはり現地を歩いて良かった。関電が送電線の鉄塔立替を行っているせいもあって、尾根付近はヘリコプターの往来が賑やか。思わず、もう次の風況観測機設置場所が決まっているのかと思った。
写真のほかに、熊森のメンバーが作ってくれた「三十三間山風力発電計画の懸念事項」という資料を添付します。私たち山のメンバーの他にも、高島市の市会議員さんたちも現地調査に行って下さるようです。美浜新庄ウインドファームも、余呉南越前ウィンドファームも、動き始めたのが遅く、業者の好きなように林道が付けられてしまいました。三十三間山はまだ間に合います。一人でも多くの人に、10/31締め切りの環境配慮書への意見書提出をお願いします。
記入用紙も添付しましたので、良ければプリントアウトしてお使いください。
個人山行 栃ノ木峠~音波山~下谷山の尾根を歩く 2022.10.3(倉内記)
~余呉・南越前ウインドファームの林道調査~
●2022.10.3.(月) 曇り時々晴れ(蒸し暑いが風があった)
●参加者:K内(車・軽)、他1人 走行距離 200km(100km往復)・・堅田米プラザ経由
●アクセス:
往路:堅田米プラザ6:40→真野IC→(湖西道路・R161)→7:30マキノ追坂峠道の駅7:45→野口→(R303)→塩津→(R8)→木之元IC口(湖北病院そば)(R365・北国街道)→(椿坂トンネル)→8:30栃ノ木峠
帰路:栃の木峠17:45→追坂道の駅18:30→堅田米プラザ19:30
●コース・時間:大津自宅発6:00→6:30堅田米プラザ6:40→8:30栃ノ木峠8:45
~(P東の尾根を直登)~9:30林道と合流~9:40 △765.0(栃ノ木)電波塔~10:15風況観測機跡地10:40~11:00 △872.7(音波山)~11:45・902~12:50下谷山(971mピーク)13:20~14:40・902~15:20音波山~15:50風況観測機跡地~16:20電波塔~16:45林道合流点~17:00栃ノ木峠車着
●記録:
8月末高時川の水害があり、余呉南越前ウインドファーム計画地の状態が気がかりだった。
去年8月末、造られたばかりの林道を、許可を出した三日月知事の浅慮を呪いながら歩いた。林道なので木陰は少なく、汗だくふらふら。自分の計画性のなさにもあきれた。同じ年の11月、日本自然保護協会の若松さんとカメラマンさんを案内してもう一度歩いた。どちらの山行も、音波山までだったので時間的には余裕だったが、今回目指すのは下谷山。暑かった今年の夏、クーラーの効いた部屋でぐーたら過ごした報い・・体力はない、あるのは気持ちだけ。今見ておかないときっと後悔する・・。
計画は進んでいた。風況観測機は撤去され太陽光パネルの足場だけが残っていた。ユンボで掘り進むための1m幅の刈り込みが下谷山のさらに先まで続き、観測機跡地のそばではすでにユンボが掘削作業中。林道はあっという間に作られそうだ。同行のO田さんは、風力発電計画予定を1/25000の地図に落とし、風車設置場所を確認しながら歩いている。
下谷山到着は予定していた引き返し時間ギリギリの13時。青とピンクのリボンでルートが指示されていたので読図の手間はなかったが、伐採された笹の切り株が怖かった。(底の薄い靴だと踏み抜いてしまうだろう。)下谷山付近だけはかなり地形が複雑。半明集落へのルートにもピンクリボンが付けられているので、間違って入り込まぬよう注意が必要。
往路で力を使い果たし、帰路は1.5倍の時間がかかり、最後の下りは日没寸前。滋賀県最北端の地はさすがに遠かった・・。
●音波山から下谷山への尾根は、巨木ではなく細見のブナの美林が続く。溜息が出るほど美しい。伐採されてしまうまでに、是非一度歩いてほしい。三日月知事もご自分の足で歩かれたら、即発電計画ストップを決断されると思うのだが、政治家は形だけの現地視察しかしない。(笑)
●8月末の豪雨の時、中河内地区を襲った大水害。その原因になったと考えられるベルグスキー場の跡地での処置は、流れ出た道路の土砂の撤去と谷入り口の土嚢の積み上げだけ。また同様の雨が降ったら、水害はさらに広がるだろう。南越前町では水害対策について地元から不安の声が上がり、業者に更なる説明を求めている。
福井新聞(2022年10月3日5:00配信)と長周新聞の記事(2022.10.3.掲載)のコピーを添付するので、読んで欲しい。
●福井と滋賀の県境付近の風力発電計画がまた一件増えた。三十三間山~轆轤山の尾根だ。
業者はジャパンウィンドエンジニアリング。環境配慮書の縦覧が始まっていて、意見書を提出できる。(2022年10月31日(月)当日消印有効)
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滋賀山友会では、現地「三十三間山~轆轤山の観察会」を10月18日(火)に予定しています。参加ご希望の方は、10月10日までに倉内までご連絡ください。
携帯:080-1425-8167、メール:倉内 <k-kurauchi@za.ztv.ne.jp>
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配慮書への意見書の提出について(業者の環境配慮書より抜粋)
配慮書について、環境の保全の見地からのご意見をお持ちの方は、書面に住所・氏名・意見をご記入のうえ、以下のいずれかの方法で意見書をお寄せください。
1)縦覧場所備え付けの意見書箱に投函。(2022年10月31日(月)当日消印有効)
2)当社宛に郵送〒107-0052 東京都港区赤坂二丁目9番3号第一松浦ビル2F
株式会社ジャパンウィンドエンジニアリング 北田 宛(2022年10月31日(月)当日消印有効)
意見書用紙
<お問い合わせ先>〒107-0052 東京都港区赤坂二丁目9番3号 第一松浦ビル2F
(株)ジャパンウィンドエンジニアリング電話 03(6441)3648 (担当)北田
第25回全国自然保護講座in滋賀 2022年7月9日(土)~10日(日)
主催:日本勤労者山岳連盟(自然保護委員会) 主管:滋賀県勤労者山岳連盟
場所:滋賀県比良山岳センター(比良げんき村内) 【報告:T本幸造(自然保護委員長)】
『美浜・新庄ウインドファーム発電事業で300年生きたブナ林が伐採される』というので、その自然、環境破壊の実態を全国の仲間に知らせたいという事で全国労山自然保護講座を滋賀県で開催した。当初場所的に福井県で予定していたが、福井での開催に後ろ向きの理事長に良い返事がもらえず、隣県の滋賀県自然保護担当のK内さんとM内理事長が積極的にこの問題に取り組まれている事から、開催場所を日本一の琵琶湖を有する滋賀県で開催した。
9日始まる頃には雷と土砂降りの雨の中ではあったが、講演会場は一杯で熱気に包まれていた。初めに滋賀県連盟会長のT永会長が歓迎の挨拶を行って始まる。
講演は、NACS-J(各地で行われている開発計画と環境アセスに対し環境NGOとしての知識とネットワークを活かして科学的な視点から意見書を提出するなど希少な自然環境への配慮を事業者に促す取り組み)の若松伸彦氏にお願いした。若松氏は既にこの問題について滋賀県連のK内さん等と現地視察や滋賀県知事に対し意見書を提出する提言などを行っている等して当講座の講演に打って付けの講演者であった。
若松氏の講演後、徳島から「四国地方における風力発電」と称してK山委員が報告した。長野県からの風力発電建設計画の報告予定が、報告当事者が緊急の用事で来られなくなり資料のみの報告となった。3番目に「南アルプスを壊すリニア計画」と称してT本が報告した。4番目に「全国の風力発電計画」をY本委員が紹介した。
夕食はご当地の仕出し屋さんの豪華弁当と、持ち寄りのお酒で交流した。
10日は現地視察という事で、6時半山岳センター出発で福井県までマイクロバスで移動。朝食はおにぎりで、車中等で摂り途中コンビニにより8時半登り口に到着。視察場所は庄部谷山(856㍍)直下に作業用林道と、建設されている風力観測用鉄塔までとした。途中幹回り3㍍近く樹齢200年はあるというブナを見ながら登山した。稜線地帯は、見事なブナが林立する中を、赤テープを目印に歩く。雨も何とか持ち堪え降られず目的の行程をこなすことが出来た。
野坂山地の野坂岳~芦谷山~庄部谷山の稜線に、風力発電が計画されていて、このままの規模で計画が進められると、広い範囲で尾根上のブナ林が伐採されます。ブナ林が伐採されてしまえばもとには戻せません。ブナ林伐採ストップにご賛同ください。
野坂山地の野坂岳~庄部谷山~芦谷山と続く尾根に、大規模な風力発電が計画されています。構想では、風力発電設備20~25基で、設備容量は最大10万5000キロワット。美浜町は、事業の可能性と地域の理解を前提に「事業者と協力して誘致を進めていきたい」と表明、2020年5月に議会で事業者からの説明を受け、誘致計画を進めることをきめました。
とても嬉しい一報です。2021年12月1日付けで福井新聞に記事が掲載されました!
01.2.2021年
「野坂山地ブナ林伐採ストップ」にご協力ください
野坂山地の野坂岳~芦谷山~庄部谷山の稜線に、風力発電が計画されていて、
このままの規模で計画が進められると、広い範囲で尾根上のブナ林が伐採されます。
ブナ林が伐採されてしまえばもとには戻せません。
#2021.12.1更新
12/1付けで福井新聞に記事を掲載していただきました。
10階の自然保護課(環境政策課)に要望書を提出した後、6階の記者クラブに移動、
福井新聞、県民福井を始めとする数社の報道機関に話を聞いて頂きました。
その後美浜町役場に行って、住民環境課の課長に要望書を手渡しました。敦賀市へは郵送します。
県民福井の藤記者とカメラマンは、県担当者との話し合いにも同席して下さって、一緒に話を聞きました。
山はすでに雪になったようですが、荒天にならなければ12/8(水)に、県民福井と親会社の中日新聞の記者と一緒に、
林道を確認しながら尾根に登り、風況観測塔2本と・806~芦谷山のブナ林を案内する予定です。
#2021.7.4更新
山友会会員、会友、熊森滋賀のメンバーにより「Change.org」に掲載しました。
★皆さまへ
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2.知り合いにお知らせをお願いします。
3.少しでも寄付をお願いします。
changeには常に数千のキャンペーンがあり、「賛同」と「寄付」が集まらないと上位表示されません。一人一人のご協力がどうしても必要です。どうぞ宜しくお願いいたします。
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#2021.6.4更新
欧州の環境・エネルギー事情
ドイツを最近旅した人であれば自明のことだろうが、ドイツ全土、至る所に風力発電の風車が林立している。風車の姿が見えない場所を探すことはもはや難しいのではないか、と思えるほどだ。
ドイツの風力発電の導入はこの10年余り、順調に伸び続けてきた。風車の数はドイツ全土で約3万機に達している。2018年、陸上風力発電は総発電量の14.3%を占め、洋上風力発電の3%、太陽光の7.1%よりはるかに多い。2019年の風力発電量(11月まで)は、風況に恵まれ、10万8000ギガワット時となった。すでに昨年1年間の水準に達し、これまでで最大である。総発電量の35%を占めるようになった再生可能エネルギーの中でも、中心的な位置を占めている。
その陸上風力発電に今逆風が吹いている。風車建設への反対運動がドイツ各地で起きているのである。
ドイツの報道では、住民運動の反対理由は、野鳥が羽根にぶつかって死ぬ、地下水が汚染されるなどだが、一番の理由は景観が破壊されることだろう。私はドイツ特派員時代の2011年に、ブドウ畑が広がるラインヘッセン地方の400年続くというワイン醸造所を訪ね、そこの当主に話を聞いたことがあるが、彼が「ブドウ畑の周辺に風車100基を立てられるより、原発1基で電気をまかなった方がいい」と言い切ったのが印象的だった。確かに醸造所の周辺を歩くと、低い丘にブドウ畑や森が連なり、この景観を破壊されたくないという彼の愛着には、十分に共感することが出来た。
ドイツの公共放送ARDによると、風車の新規の設置数は2016年1624基、17年1792基と増えてきたが、18年は743基に急減し、19年も9月までに150基しか建設されていない。
反対運動の高まりを受けて、政府も風車建設と住民の懸念との間のバランスを取る必要に迫られた。すでに、メルケル第4次政権(2018年3月に発足)の連立与党間の連立協定に、「再生可能エネルギー分野と自然保護、住民の関心とのバランスを取ること」と盛り込まれているが、今年10月9日に閣議決定された、地球温暖化対策のための中期計画「気候保護プログラム2030」(「気候パッケージ」と呼ばれる)で、「今後、居住地から少なくとも1000メートル以内には風力発電施設を新設したり、増強することは出来ない」と明記された。政府の意図は、住民への配慮を示すことで反発を少しでも和らげ、風車受け入れを促したい、ということだろう。
しかし、こうした政府の動きに対して、ドイツ環境自然保護連盟(BUND)などの環境団体や、緑の党が強く反発している。居住地の1000メートル以内に風車の建設が出来ないとなると、すでに建設に適した土地が少なくなってきた中で、建設の困難さが一層増すと見ているからである。
ARDが、環境研究機関の分析を元に報じるところでは、この措置が実施されれば、現在風車の建設が可能な土地の約半分は使用できなくなる。さらに増強(更新)も禁じられることから、長期的には風車の数が減ることも予想される、という。
ドイツ政府は2030年までに再生可能エネルギーの割合を65%にまで高める目標を掲げている。そうでないと、同年までに温室効果ガスを55%削減する目標達成は出来ない。
フィナンシャルタイムズ紙によると、温室効果ガスの削減目標を達成するためには、毎年少なくとも4ギガワットの新たな陸上風力を設置しなければならない。しかし2019年の新設予定は1ギガワットにも満たない、という。現状では目標達成はおぼつかないし、1000メートルの規制が予定通りに実施されれば、さらに風車建設のスピードが落ちるだろう。今のドイツ政治で環境政策の持つ比重は高いから、風車の建設の遅れは深刻な政治的意味を持つことになる。
「気候パッケージ」を元にした「気候保護法」は11月29日に成立し、なおも細部が法制化されるが、政府の地球温暖化対策は不十分として「気候保護法」に反対する大規模なデモがベルリンなどで起きている。
また同じ日、ドイツ北部5州の州首相が記者会見を開き、風力発電分野が「死活的な危機」にあるとした上で、洋上発電や送電線の建設促進、許認可手続きの迅速化などを要求する緊急書簡を、メルケル首相宛てに送ったことを明らかにした。会見で州首相たちは、風車建設の減少により4万人の職場が失われ、1000メートルの規制は逆効果になると政府の政策を批判した。
風力発電を増やそうとすれば、洋上(オフショアー)風力発電の比重を高めることが一つの方法である。グラフにあるように、洋上風力はこの5年ほどで急速に伸びてきた。固定価格買い取り制度を終え、入札によって建設企業を決定しているプロジェクトも出ている。
#2021.4.23更新
【風力発電計画見直しのお願い】2021年2月25日 大阪府在住 K氏
私は大阪府在住の登山者です。大阪に住んではいますが、福井県の山に足繁く通っており、特に美浜町耳川流域の山はホームグラウンドと言っても過言ではありません。
この1000mにも満たない山々に魅せられた大きな要因は、この山域に残された豊かな樹林です。
トチやカツラの巨木群と並んで、山稜上に広がる大規模なブナ林は地域の重要な財産であると思います。美浜の人々が残してこられたこのブナ林を伐採してしまうことは貴重な財産の逸失であり、将来に大きな禍根を残してしまうと考えます。長い年月をかけて形成されたブナの極相林は、一度伐採してしまえば元には戻りません。
一登山者の感情論だけではなく、伐採による現実的なデメリットも数多く想起されます。
まず第一に、風車設置のための取付道路の工事による土砂の崩落があります。近年の台風の影響により、植林地の杉の倒壊と土砂の流出がこの地でも多く見られます。山稜上のブナは風による倒壊はあるものの、ブナの森の保水力によって土砂の流出はあまり見られません。
保水力を失った森は大雨のたびに土砂が流出して谷に流れ込み、耳川本流、ひいては美浜の海にも重大な影響を及ぼしかねません。単に山の中の問題だけではなく、豊かな海の生態系にも影響を与える危険性があります。
第二に、山の中の生態系への影響があります。この山域には多くの野鳥が生息しており、バードストライクの問題が発生する懸念が大です。さらに数多く生息している獣類、特にシカが餌場を失い、里へ下りて来て(現在でも多く見られますが)農作物に被害をもたらすのは必至です。
第三に、この地は積雪の多い地帯であり、里ではそれほどではなくても山の上ではかなりの積雪があります。一年の内、四分の一程度は徒歩でしか現地に入れない場所に大規模な施設を建設して、メンテナンスができるのかという疑問があります。
人間は電気無しでは生活できず、CO2排出量を減らすために再生可能エネルギーへの転換を図る必要があることは認識しています。ただ、そのためにかけがえのない自然の遺産を潰してしまうのは本末転倒ではないでしょうか。私たちは登山の楽しみだけではなく、山から数多くの恵みを受けています。ブナ林の消失は私たちの、また地球の財産の損失であると思います。
以上の点を鑑みて、本計画が見直しされることを強く希望致します。
【福井県知事 杉本達治宛 美浜新庄ウィンドファーム発電事業に対する意見書】 滋賀県大津市在住 T氏
現在計画されている野坂山地周辺での風力発電開発事業につい ての意見書を提出いたします。
同地区はブナの原生林が存在し自然環境を維持する貴重な存在であり、ハイキング等でこの辺りの山々を散策するたびその大切さ
を実感しております。開発事業によりこの貴重な環境に及ぼす影響は少なからずあるのではないかと危惧しております。それを裏付ける専門的データは持ち合わせてはいませんが、こうした開発による自然環境の変化が、一地域だけにとどまらず広く周辺に影響を及ぼすことは容易に想像できます。大切な水がめ琵琶湖への影響も必ずやあるでしょう。近年の暖冬で琵琶湖の深呼吸が出来ていないことが報道されていますが、開発が進めば水源の環境変化も決して無視はできないのではないかと思います。 同事業に対する専門的な意見書が他からも提出されていることと思いますが、自然を愛する市民として、また将来の子孫へ自然を す責任者として以上の通り意見申し上げます。 何卒ご配慮、ご検討の程宜しく申し上げます。
#2021.4.18更新
すでにご存じの方もおられると思いますが、野坂山地の野坂岳~庄部谷山~芦谷山と続く尾根に、大規模な風力発電が計画されています。
構想では、風力発電設備20~25基で、設備容量は最大10万5000キロワット。美浜町は、事業の可能性と地域の理解を前提に「事業者と協力して誘致を進めていきたい」と表明、2020年5月に議会で事業者からの説明を受け、誘致計画を進めることをきめました。
9月に山友会のメンバーと一緒に甲森谷から庄部谷山付近を歩いた時には、横谷川の傍で、調査のための伐採が始まっていました。11月にも予定地の尾根を歩きましたが、風力計測のための機器設置の最中で、すでに多くのブナが伐採されていました。原発や火力発電への批判が高まる中、行政の強力な後押しによりクリーンエネルギーとして風力発電・ソーラーパネルによる発電計画が各地で進められています。気がかりなのは、これらのエネルギーを得るための設備設置には大規模な自然破壊を伴い、なおかつ設置後のメンテナンス、環境・住民の健康などへの影響に関する調査は義務付けられていないことです。
野坂山地には、野坂岳~芦谷山、庄部谷山などのピークがあり、滋賀県の大谷山、赤坂山、三国山、大御影山をつなぐ尾根には素晴らしいブナ林があります。伐採されてしまえば、取り戻すことはできませんし、建設事業(風車や資材運搬のための林道建設)による土砂流出が与える流域の谷への悪影響も案じられます。
発電計画が進められるにあっては、環境影響評価の観点から、住民が意見を提出することができる機会が3度あります。行政と事業者の間で取り交わされる手続きには、①~④の段階があり、(①計画段階環境配慮書 ②環境影響評価方法書 ③環境影響評価準備書 ④環境影響評価書)、私たちが野坂山地での発電計画に気づいたのは、すでに①の配慮書での一般意見提出が終わった後でした。②の方法書への意見書提出の締め切りは3/1(月)でした。③の準備書の時、もう一度一般意見を出せる機会があります。④の評価書が出てしまうと、もう一般からの意見を出す機会はありません。
胸高周囲
(1)355cm (2)332cm (3)335cm (4)325cm (5)あがりこブナ (6)345cm (7)325cm (8)300cm (9)320cm
(10)375cm (11) 345cm (12) 355cm (13) 310cm (14) 375cm (15) 355cm (16) 290cm (17) 325cm
(18) 355cm 18.19は2本ほぼ同じ場所 (19) 355cm (20)310cm (21) 300cm (22) 365cm (23) 310cm (24) 375cm (25) 325cm (26) 300cm (27) 325cm
2021.4.11 滋賀山友会、日本熊森協会滋賀県支部 倉内光代