個人山行 北アルプス  雲ノ平・薬師岳

薬師沢小屋 と 吊り橋・梯子
薬師沢小屋 と 吊り橋・梯子

【日 程】 2024年10月3日 (木) ~6日 (日)

【参加者】 I野 (CL・配車)、S藤 (SL)、K藤 (記録)

【コースタイム】 39km、  27時間 = 4日間累計

 

【行程・天気】

1日目 10月3日(木) 曇のち雨

2:00滋賀出発~高速/有峰林道~6:40折立キャンプ場着

7:10折立登山口→9:00三角点→11:25~12:00太郎平小屋 (昼食) 2,328m →14:05 薬師沢小屋1,916m


2日目 10月4日(金) 雨

6:40薬師沢小屋 → 9:20 雲ノ平/アラスカ庭園2,456m→10:30祖母岳 2,560m →10:50雲ノ平山荘2,552m


3日目 10月5日(土) 曇のち晴れ

6:45雲ノ平山荘 → 7:30 雲ノ平/アラスカ庭園2,456m→ 9:30~10:10薬師沢小屋 (昼食)

→13:10~13:20太郎山2,372m →13:30 太郎平小屋


4日目 10月6日(日) 晴れ

6:15太郎平小屋 →6:30薬師峠→ 7:00薬師平→ 7:45薬師岳山荘2,693m→ 8:20 避難小屋

→8:35~9:00 薬師岳山頂2,926m→ 9:10 避難小屋→ 9:30~45薬師岳山荘→ 10:10薬師平→10:35薬師峠

→10:50~11:20太郎平小屋→13:10~13:20三角点→14:25折立登山口

 

 

【報告と感想】

晴天の雲ノ平と周辺の山々に挑む計画は魅力的で愉しみにしていたが、ダブル台風の影響で天候が怪しい。「4日も行けば1日くらいは雨も降るでしょう」と、リーダーの言葉もあり、小屋泊なので眠る間は雨風は防げるから雨を承知で計画通りに向かうこととなった。 当初計画では鷲羽岳か水晶岳どちらか、無理な場合は最後に薬師岳の可能性を残し、無理せず天候により臨機応変に計画変更することをメンバーで合意。

 

1日目 10月3日(木) 曇のち雨

有峰林道(有料)のゲートが開く時間に合わせて滋賀から高速(北陸道)を走る。高速を降りる頃には夜が明け林道入り口から登山口のある折立まで約20km、真っ暗なトンネルや工事中の曲がりくねった一車線の道を有峰ダム湖まで走る。 今にも降りそうな曇り空6:40折立駐車場に着く。大型連休・週末ならば満車状態で車道に駐車するなど駐車スペースを見つけるのが困難と聞くが、小屋閉めの時季だし平日とあり登山口の直ぐ前に停められた。先ずは太郎平小屋を目指し登山口1,356mを出発。最初は急登が続き衣服調整。9:00三角点1,871mを過ぎると樹林帯を抜ける。三角点から太郎平まで4.2kmの道標には「ガンバレ!」と書かれていた。 太郎平まで3kmと書かれた辺りから所々に休憩用ベンチがあり、曇り空の下、もしかしたら今回は登らないかも知れない薬師岳を眺めながら休む。多少ガスってはいるが何とか降らずに済んでいる。なだらかな登りだが長い距離を進んで11:25太郎平着。寒くて「名物太郎ラーメン」で温まる。食事を済ませて薬師沢へ向かう。途中、気持ちよく歩ける木道もあったが、幾度も河を渡り長い橋が結構怖い。400mを下るルートを2時間歩いて薬師沢小屋に到着。天候が悪くなりそうな事と小屋閉めが近いせいか客数が少なくゆっくり過ごせた。小屋主やまとけいこさんは優しく素敵な人で、夕食も美味しかった。

 

2日目 10月4日(金) 雨

朝から大雨で小屋前の薬師沢は増水。恐ろしい程の水量を下に見ながら吊り橋を渡るのは勇気がいるし雲ノ平へ向かうのは躊躇う所だ。美味しい朝食を頂いたあと身支度したら覚悟を決め出発。勢いよく流れる濁流の上、巾の狭い吊り橋を渡ると次は長い梯子を下り、滝に打たれながら道を進むと分岐。そこからの急登がキツイ。沢登り状態で長い距離を各自が必死に登る。昨年亡くした愛犬が迎えに来た様な気持ちになり愛犬の名を連呼してみた。木道になってからも雨で周りは見えずアラスカ庭園を過ぎた事に気づかなかった。ようやく雲ノ平らしき庭園を幾つか過ぎて河を渡ると前に祖母岳。山頂まで歩き易い木道だが景色も何もない。天候が良ければ鷲羽か水晶に向かう計画だったが、大雨なので雲ノ平山荘に到着できたら十分。ずぶ濡れになって雲ノ平山荘に到着すると乾燥室の温かさにホッとした。次々とずぶ濡れの人達が到着し、乾きかけた乾燥室の干物を繰り返し湿らせる。テント泊だったら泣けるだろうな。雲ノ平山荘の名物石狩鍋と生姜漬けはお代わりOKで美味しかった。

 

3日目 10月5日(土) 曇のち晴れ

やはり靴は乾かなかったが、ほぼ衣服は乾いたので気分新たに出発。霧雨の中、本日は太郎平小屋まで。天候が回復し日曜日は晴れるなら薬師岳に行こうとなった。鷲羽や水晶は来年にお預け。水捌けが良い台地で、増水していた川の水量も落ち着いていた。昨日沢登りした急坂を薬師沢まで下る。少しは水が引いても乾いているわけではなく下るのも又キツイ。薬師沢小屋が近づき、長い梯子と吊り橋を渡るまで緊張。薬師沢小屋前で小休止したら、太郎平小屋まで400mの登りだ。陽が差して暑くなってきたら足が重い。急ぐ必要もないので太郎平小屋手前でザックを置き2,372mの太郎山で景色を楽しんだ。太郎平小屋の夕食も美味しかった。

 

4日目 10月6日(日) 晴れ

いよいよ最終日。一座でも大きな山の頂に立ちたい気持ちが強く薬師岳に向かう。小屋の入り口にザックを置かせていただき出発。テント場を抜けて薬師岳登山道へ。石がゴロゴロした急登だ。樹林帯を抜けて展望の良い場所に出ると、夏ならお花畑が広がる湿原地帯に木道が敷かれている。山頂目指してひたすら登っていくと槍ヶ岳が顔を見せてくれた。やがて薬師岳山荘に着く。こじんまりした綺麗な山小屋だ。山頂までのガレた道を進み避難小屋を過ぎ、薬師岳の広大なカール地形の美しさに感動しつつも、強く冷たい風に震えて前に足を進める。標高2926mの山頂に到着。祠に薬師如来像が安置されているが本日が祠閉め日とのことで、大事に移管されようとしていた。前日までの雲はどこへやら、快晴の空と360°の大パノラマ。稜線の先の北薬師岳が恰好いい。来年は北薬師岳を超えて北上し五色が原~立山まで抜けてみたい話もしながら下山。早く帰りたい、お風呂に浸かりたい思いもあり、コースタイムを気にしながら下りると、太郎平小屋には予定より1時間も早く到着。軽く食事と荷詰めして、折立までの長い長い登山道をひたすら下る。見晴らしの良いベンチに腰掛け、下りてきたばかりの薬師岳と眼下に有峰湖を見て小休憩。樹林帯を下りても下りても折立は未だ先。登りより長いんじゃないの?と思うくらい長く感じたのは、4日分の疲労が蓄積していたのかも知れない。

 

4日間を通して酷い雨には泣かされたが小屋泊で良かった。蓄積疲労で転んだりして遅くなったりしたが、最後の最後は晴れて素晴らしい眺望に恵まれた。 ルート相談・天候による計画変更などメンバーで合意して進められて良かった。

 

一緒に過ごしてくださった、お2人に感謝申し上げます         記:K藤