日時 2024年5月19日(日) 7時45分~15時45分
場所 比良 牛山・滝山
天気 曇のち小雨
講師及びスタッフ
N森(山の会オフトレイル)・T内(山の会オフトレイル)・K口(滋賀山友会)・
H川(滋賀山友会)・H本(ちごゆり)
受講生
N村、M代(滋賀山友会)、N堀(滋賀山友会)、T成(滋賀山友会・記録)
ルート
比良元気村~滝山登山口~鳶岩~牛山~P655出合い~P622~オトシ出合い~
楊梅の滝登山口~比良元気村 滝山は時間の都合で省略
実技
受講生4名が区間を8つに区切り、順番にリーダーとして地図・コンパスを使用して進行方向・距離・その区間の地形の特徴を読み取り、残りの8名を先導した。
➀目標地点
地形図の磁北線とコンパスのノースマークを合わせる。現在地と目標地点をベースプレートの辺で結ぶ。磁北線とノースマークを平行にし、磁北と目標地点との角度を確認。「方位〇〇°、距離〇〇m」と目標地点をメンバーに宣言。さらにそこまでの間に予想されるルートの特徴を告げる。そしてスタート。
⓶先導中のポイント
・体の正面にコンパスをあて進行線の方向に進むようにする。
・磁石をこまめに見て、大まかに方向がずれていないか確認する。
・ピークを通過したり、進行方向が変わる時はその都度案内する。
・まめに後ろを振り返り、グループの人数が揃っているかを確認する。
・距離感覚をつかむ。これだけ歩けば〇〇mは進んだだろうと。
・トラバース道や突起物など危険個所はその都度案内する。
・水の流れがあれば、どちらに流れているかを見て、今の位置を確認できる。
・地図上の466の地点が記されていても、ピークとは限らない。
・小ピークなどは地図に現れにくいので、10m以上登ったり下りたりしたときは等高線が描かれているので一つの目安になる。
⓷経験談
・最初から進行方向が違っていて、本来南の方向に進んでいなくてはいけないのに、南東の方向にすすんでいて、講師に指摘されるまで気付かなかった。
・目標のピークに着いたと思っていたら、まだ2つも手前のピークだった。
・高度計を現在地確認のツールにしていたが、けっこう誤差があったので、現在地を誤った。
・必死に前ばかりに神経を集中していたので、メンバーの一人が遭難(仮)していて、列にいないことに気づかずに進んでいた。
・トビ岩までは明確なルートがあり、ピンクテープも随所にあったので、それを頼りに進んでしまった。
一口感想(受講生編)
★昼前からぽつぽつ雨が降り出したが、雨具を着用するまでもない程度のまま下山までできたのはラッキーでした。肝心の実技では今一コンパスの使い方が分からず、踏み跡を頼りに進んでしまいました。地図は10m間隔なのでそれ以下のサイズの地形は読み取れず現在地を把握するのが困難なこともありました。普段ヤマレコの足跡ばかりを頼りにしているので、地図読みはとても楽しいけど難しいと感じました。普段よりかなり疲れた山行になりました。(T成)
★大人の難易度大のオリエンテーリングの様な地図読み。角度を持ってチーム内で情報共有し、地と周りの状況と見ながらの山行は、身体より頭が疲れました。万が一の遭難に備えて、定期的に地図読み山行をしてみようと思いました。みなさま、ありがとうございました。(M代)
★どうしても踏み跡に頼ってしまい、また最初は目的地の方向を把握していても目の前の障害物に気を取られて避けるうちに方向を見失ってしまうということの繰り返しでした。常に俯瞰的に自分の現在地、周りの地形、行く先の方向を把握しておくことの大切さがわかりました。また地図上で見る地形が実際どのくらいの高さ、大きさなのかを感覚的にわかるようにしておくことも重要だと思いました。コンパスの使い方はこの一日で少し慣れることができましたので日頃の山行でも使っていけたらと思います。 (N堀)
★最近はずっとスマホの地図アプリで登山計画を作成しての山行でしたが、今回の講習では久々に紙地図とコンパスでの登山ということで、自分で目的地を設定し、迷いながらも到達する楽しさを再確認しました。地図における現在地と地形から判断した自分の位置が合っているかを正確に判断することが一番大事だと思いました。そういった点からGPSの便利さにも改めて気づかされました。これからはバリエーションルートにも挑戦していきたいと思います。(N村)
一口感想(講師・スタッフ)
★地形図は「見る」ものではなく「読む」ものです。
ルートの線ではなく、立体として三次元で読み取るように心がけて下さい。そして何よりも次に出てくる地形を予想した上で、その通りに歩けているか、傾斜・方向・距離をモニターしながら進むことが大切です。これは道標のある一般登山道でも同じです。また、顕著なルートが無い場合は尾根を辿ることが原則です。これは谷よりも見通しがよく危険も少ないからですが、尾根がはっきりしていれば、それを外さなければそうそう迷うことはありません。それと同時に、慣れないうちは難しいかもしれませんが、リラックスして広い視野を持つことも必要になります。残りの講習を通じて、少しずつポイントを掴んでいっていただければと思います。(N森)
★クライミングもハイキングも基本は同じです。
クライミングはフォロワーの場合でもどこに手足を置くのか岩から少し身体を離して考え行動します。トップをビレイしている間はトップの動きを注視してロープを繰り出し、次の動作に手際よく移せるのかイメージしながらピッチを刻みます。ハイキング、今回はバリエーションですが目的地の方向を地図とコンパスで確認し、どこを歩けば到達できるのか地形を見て判断します。方向が判っていても急斜面や谷があるので真っ直ぐには歩けません。どこが弱点(歩きやすい)なのかよく見て行動します。私事で恐縮ですが報酬を受けるガイドの仕事と一般山行のリーダーとは反復継続してパーティを連れて行く点において同じです。もちろん責任の度合いは違いますがリーダーはパーティの他のメンバーはルートなど何も知らない(会山行では各自が自覚して当然です)ことを前提として安全で歩きやすいルートを選択し、間違いがあればすぐに軌道修正できることが必要です。山行では読図をすることで登山の楽しみが広がり安全につながると思います。(T内)
★地図読みは自分の読んだ通りに行けると面白いですし、間違ってもリカバリー出来れば自信も着くと思います。あとは、習うより慣れろで数をこなして精度を上げて下さい。(K口)
★今日は天気が怪しい中お疲れ様でした。終了時のミーティングでの感想に付け加え、雨の状況ならどうだったでしょうか?カッパを頭から被り視界の悪い中、また集中力も無くなりそうな中、全員が無事に下山できたでしょうか? などなど最悪の状況を考えるとゾッとしますが、そんな状況も想定して歩くのも悪くはないと思います。皆様本当にお疲れ様でした。(H川)
★昨日は、コンパスが使えない老人を無事下山まで導いて頂きありがとうございました。
平素から地図は入山前に眺め倒して地形を記憶して、予想した地形を辿るのが、マイスタイルでした。
以前、冬季登山で伊那側と木曽側を勘違いして懸垂下降してビバークした時もスタイルを変えませんでしたが、今回の受講生の真剣な姿勢を見させて頂き激しく反省した次第です。まともなコンパスと国土地理院の地形図で一からやり直したく思いました。(H本)
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