日時:2023年5月3日~4日
場所:北アルプス、常念岳
参加者:T中(CL・車)、Y元(SL)、M野、N堀(会計)、S藤(記録)
行程:
5月3日
一の沢駐車場(標高1,329m)10:50―大滝ベンチ12:50―笠原沢13:50―胸突き八丁―常念乗越(標高2,460m)―常念小屋16:30(小屋泊2名、テント場3名)
5月4日
常念小屋7:00―8:00 常念岳8:30―常念小屋9:30ー下山開始10:35―一の沢登山口13:59―一の沢駐車場14:15
累積標高差:約1,530m
日本列島は高気圧に覆われ、GW 真っ只中の3日4日は晴天に恵まれた。
この度の常念岳山行は夏道&雪道を歩いた。核心は沢の渡渉と小屋直下の夏道とは違う残雪時の直登ルートの、登り下りだった。ここは10 本爪(12 本爪)アイゼン無しには歩けない。
一の沢駐車場(標高1,323m)から「熊出没」と大きく書かれた看板がある常念岳登山道入口を通り、王滝を過ぎ烏帽子沢沿いのなだらかな登山道を行く。標高1,700mあたりから登山道に残雪が見え始めた。笠原沢を過ぎ、どんどん高度を上げて行く。そして胸突き八丁の少し下からアイゼン装着。アイゼンをつけて渡渉する場面もあり、次第に難易度が上がって行く。残雪を上がっていき、標高2,100mも過ぎたころ、より急勾配となる。あと300m、あと200m、…150mと、SLの励ましの声を支えにして登っていった。そして急斜面を登り切って、常念乗越到着。すると槍ケ岳をバックにした常念小屋が目に飛び込んできた。素晴らしい展望!!「あぁ、やっと、ついに…。雪渓きつかったー!」
槍ケ岳を背後にして建つ創業1917年の常念小屋は、堂々とした風格。玄関周りにはまるで『かまくら』の入口みたいな雪が残っていた。テント場は小屋の横手にあり、50 張が張れるそうだ。すでに張ってある数々のテントの色が綺麗だ。
小屋の北側の横通岳もまた美しい。そして小屋をはさんで南側に迫っている山こそが常念岳かと思いきや、そうではなく、常念岳はその山のまだ奥にあるという。
そして山小屋組とテント組はここでお別れ。ではまた明日、よろしくお願いします。
常念小屋の夕食はメインがハンバーグ、野菜たっぷり、みそ汁ご飯お代わり自由でとても美味しかった。(朝食も焼き鮭、卵焼き、ウインナー、高菜の炒め物etc)スタッフは親切丁寧。お部屋は3人(大阪からの山ガール1 名と私達2名)で半身分のシールドが布団ごとに設置してあった。寝具は敷布団の上にシーツが挟んである封筒型シュラフ、その上に厚毛布を乗せる。枕は使い捨てカバー付き、暖かく快適だった。
翌日はいよいよ常念岳へ。山頂までと15分くらいの所で、残雪が多くなったのでアイゼンを装着する。山頂は岩がごろごろ積みあがったような感じ。(確かに常念岳の山容は三角推だ。)そしてついに山頂に立つ。
風もなく雲一つない360度の展望。素晴らしすぎるパノラマビュー!!近くには槍穂、蝶が岳、八ヶ岳、遠くには富士山(距離は140キロ離れているという)も結構はっきり見え、南アルプス、奥穂高岳、槍ケ岳、大天井、燕岳、立山も…。あまりの視界の良さに30 分ほどゆっくり滞在する。1時間ほどで常念小屋へ下りる。
10時35分、いよいよ下山開始。再びの残雪の急降下に取り掛かる。残雪を登ってくる人の表情にはしんどすぎて悲壮感が漂っている‥。昨日の自分がだぶる…。そして昨日よりさらに怖い残雪下りを体験することに。なんとか無事に渡渉を終え、14:15 頃一の沢駐車場に帰着する。(S藤記、T中修正)
<一口感想>
【S藤】 常念岳の展望は、素晴らしく、また楽しい仲間に恵まれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
けれど私は、アイゼンを逆につけるという基本的な間違いをしていて、残雪を下るときに2m滑落し、先行のN堀さんにぶつかり、転倒させてしまったのです。N堀さんの前を行くT中CLがストップして 下さり、事なきを得ましたがー。
注意力、集中力、体力、自分の未熟さを思い知りました。もう本当に反省しかありません。
【N堀】 常念岳を登るのは初めてで、しかも残雪期の北アルプスへの山行はどのようなものになるかあまり想像がつかなかった。一ノ沢登山口からしばらくは緩やかな登りで非常に快適。何度か渡 渉があり、急な流れと水しぶきがアルプスの春の到来を感じさせた。雪渓はお借りした10本爪のアイゼンで登ったが、前爪で雪に蹴り入れるようにして進んだ。常念小屋に到達すると北アルプスの 山々は絶景でその場にいるのが不思議なほどであった。
2日目は前日の疲れがあったのか思うように体が前に進まず途中から荷物を置き去りにし、頂上をめざした。山頂は美しく晴れ渡った青い空に白と黒のコントラストがまさに絵画のよう。下りはストックをやや前方につくよう教えて頂き、滑らないよう踏みしめて下りた。残雪時の歩行や荷物の調整など学びの多い山行であった。皆さま、ありがとうございました。
【Y元】 雲一つない、風もないとってもいい天気でした。
山頂からは360度の絶景を眺められました。
残雪のシャバシャバの雪で急な斜面の登り降りがちょっと怖かったですがいい経験になりました。
【M野】 移動中の車から見上げた2857Mの白い頂に立てた事、そして頂上から積雪の山々のパノラマを目の当たりに出来た事は大きな感動でした。
頂上へアタックした際は空荷でしたが、ストックもアイゼンも無しでスタスタと歩く田中さんに驚き、下山時の雪渓では意外と急斜面で距離も長かったことに驚きました。ザックが重く、皆から遅れ気味のペースだったので、もっと体力を強化しないと次回は来れないなと思いましたが、雪山歩きが存分に楽しめた快晴の2日間でした。
【T中】 5月6~7日の天候が悪かったので急遽3~4日に変更。参加出来なかった方。ごめんなさい。
連休初日、滋賀を出たのが少し遅く中央道で渋滞に巻き込まれ、予想より1時間遅れて一ノ沢駐車場を11:00出発。登山口で、遅い出発を注意された。
残雪は中々現れず、沢を渡ったところから雪が現れアイゼンを付けた。胸突き八丁から夏道ではなく残雪の谷筋の直登ルートをストックとアイゼンで慎重に登る。途中、安全な場所で休憩後、後少しでバテそうなころ稜線が見えて斜度が緩やかになり稜線に到着。槍ヶ岳が目に飛び込んできた。小屋で受け付け後、テントで一杯だったが、残ったスペースを整地してテントを張る。
翌朝、快晴にも関わらずゆっくりお湯を沸かしている間に陽が昇ってしまった。M野さんの御来光の写真を見て改めて後悔。
朝食後、常念山頂へ。山頂は快晴無風。槍穂高の残雪をまとった景色をいつまでも飽きずに見ていた。