個人山行 春のお花の大饗宴 見頃真っ只中のシャクナゲを求めて富士写ヶ岳へ

 個人山行 春のお花の大饗宴 見頃真っ只中のシャクナゲを求めて富士写ヶ岳へ

2023年4月22日 雲一つない青空

Y森(L・富士写ヶ山3回目)、K西(2回目)、N西(初めて・感想)

【コースタイム】

8:50大内峠登山口駐車場着

9:05大内峠登山口―11:25富士写ヶ岳山頂12:05―14:00小倉谷山―14:35火燈山―

15:50大内峠登山口

 

 

 

 

 

 例年はゴールデンウイーク頃に見頃を迎える富士写ヶ岳のシャクナゲが、見頃真っ只中ということで、急遽、計画・実施となった。9時前に登山口駐車場に到着すると、福井と石川ナンバー車が長い列で路駐している。車から下りるとお天気はいいが風が強くて寒い。山頂はもっと寒いかもしれないと心配しながら、9時過ぎに登山開始。大内峠から時計周りに周回する。半時計回りよりも歩きやすいようだ。

 山に入ると目一杯の新緑が迎えてくれ、啄木鳥のドラミングも聴こえてくる。緩やかではあるが、いきなり登坂で登山道はひと一人が通れる程度の幅しかない。山に入ると強風も感じなくなった。樹々の芽吹きを楽しみながら歩いていくと、まずはチゴユリが出迎えてくれた。スミレも咲いている。カンアオイまで。カンアオイは茶色く土に同化しているので、思わず「これがお花?」と確認してしまう。この山のイカリソウは白くて小ぶりのようだ。ミツバツツジもツバキも見頃だ。イワウチワは咲き終わってしまったようだ。お花観賞を楽しみながらゆっくり登っていく。下を見ると可愛い山野草、見上げると青空、陽を浴びて輝く新緑、とってもパワーを感じる。

 700mを過ぎた辺りから、本日のメインフワラーのシャクナゲ登場。山友会記念Tシャツを着用しているからか、「滋賀県からですか?」と声をかけてくださる。地元の方曰く、今年はシャクナゲが当たり年とのこと。例年より2週間程早く見頃を迎えたようだ。周回した方がいいとのアドバイスもいただいた。急に暖かくなり、お花たちは、「今でしょ。」と申し合わせたように咲き誇っている。下の方では咲き終わっていたイワウチワも、標高があがると見頃を迎えており、至る所で咲いている。今日は雲一つない青空で余計にピンクが映える。ミツバツツジ、ツバキ、シャクナゲの三大ピンクの大饗宴に、純白の可憐なタムシバが加わる。斜面に咲くタムシバを遠くから眺めることが多かったので、こんなに目の前で見れるのは貴重だ。やはり美しい花だ。最初はソーシャルディスタンスを保ちながら咲いているシャクナゲも、どんどん密になる。至る所で写真撮影をするからなかな進まない。以前、この山で山友会のKさんが「一生分のシャクナゲを見た。」と言われたようだが、気持ちはとってもわかる。富士写ヶ岳方面を見ると、黄緑の中に所々ピンク色に染まったところがある。遠目でもシャクナゲが群生している場所がはっきりとわかる。こんなお山が近くにあったら、毎日でもお散歩したいなと思う。

 11:25富士写ヶ岳山頂到着。山頂には20名ほどが休憩していた。雪に覆われた白山がはっきり見え、近くに感じる。私たちも休憩とする。足元にはショウジョウバカマが咲いている。風もなくポカポカ陽気で気持ちがいい。小倉谷山と火燈山を経由して下山する予定。左手に白山を見ながら稜線を歩く。満開のシャクナゲの背景には白山。なんと素敵な景色なんでしょう。急坂をどんどん下っていく。200m程のアップダウンがあるが、景色がきれいなので頑張れる。急坂にはロープがあるが気をつけて歩く。雨上がりは滑りやすいだろう。逆回りの方がきついと言われているのがよくわかる。急坂を下り暫くすると景色は一転、なんとも美しいブナの世界へ。ブナ林とシャクナゲ、なんとも美しい構図だ。布を合わせて丸く縫い合わせたような立派な蕾がたくさんある。花の数を数えると、9個、11個、なんと13個あるものもある。これだけ豪華な花なのに、南国の花のような派手さを感じないのは、上品なピンク色、花びらが薄い、深い緑の立派な葉のバランスがいいからだろうか。青空とシャクナゲのピンクのコントラストもいいが、ブナとのコントラストも最高に美しい。皆さんはどちらがお好みでしょうか。

 14:00小倉谷山山頂に到着。1組の家族連れがおられた。山頂は開けており展望もいい。丈競山山頂の小屋も見える。振り返ると、写ヶ岳に富士がついている理由がよくわかる。きれいな山容だ。火燈山までは20分程度とのこと。どんどん下っていく。至るところにロープが取り付けてあるのでありがたい。陽が射し込んで幻想的なブナ林の中を歩いていく。シャクナゲはどこまでも続く。

 14:35火燈山到着。展望がなくても、今日はお天気がいいので、腰を下ろすと立ち上がりたくなくなってしまう(^^)ここからは登山口に向かって、どんどん下っていく。ずっと下り坂で平坦な場所は殆どない。やはり逆回りはきついと言われる理由に納得する。登りでは700mを過ぎた辺りからシャクナゲを見ることができたが、こちら側は700mを過ぎても、600mを過ぎても、まだまだシャクナゲが咲いている。いったいどこまで咲いているのか。シャクナゲは500m付近まで咲いていた。陽の当たり方が違うのだろうか。ただ、こちら側が風がきつい。相変わらず登山道はひと一人が通れる幅程度しかない。1本の細い登山道がずっと続く。どんどん下り、「熊の平」を通過して、15:50大内峠登山口に降りてきた。そこにはY森さんの車が1台あるのみであった。

 初めての富士写ヶ岳で満開のシャクナゲを堪能させてもらって感謝しかない。私もKさんと同じように一生分のシャクナゲを見たような満足感だ。お花に癒されたとっても幸せな時間でした。ありがとうございました。

 

豆知識

★火燈山の名前の由来:諸説ありますが、山伏たちが修行としてこの山に登り、護摩を焚いたことからきているとか、あるいは信長に追われた一向宗徒がここで烽火を挙げたことからきているようですよ。

★富士写ヶ岳は石楠花が有名ですが、県の花は「クロユリ」です。