【日 程】 2022年9月5日(月)~6日(5日曇り時々晴れ、6日曇り一時晴れ)
【参加者】 T本、I野
【行 程】
〔1日目〕
柏原新道登山口(06:30)・・・ケルン(08:40)・・・包優岬(0920)・・・種池山荘(10:45)[休憩 10分]・・・爺ヶ岳南峰(11:55)[休憩 5分]・・・赤岩尾根分岐(冷乗越)(13:10)[休憩 5分]・・・冷池山荘(13:35)〔休憩 20分〕・・・冷池テント場(14:10)
〔2日目〕
冷池テント場(04:55)・・・布引山(05:45)[休憩 5分]・・・鹿島槍ヶ岳南峰(06:45)[休憩 15分]・・・布引山(07:45)[休憩 5分]・・・冷池テント場(08:25)[休憩 40分]・・・冷池山荘(9:20)〔休憩10分〕・・・赤岩尾根分岐(冷乗越)(9:50)・・・爺ヶ岳南峰(11:15)・・・種池山荘(11:50)[休憩 25分]・・・扇沢柏原新道登山口(14:55)
【報 告】
今年の8月は天候が不安定だったが、9月に入っても台風が発生するなど登山の計画には難しい時期。以前から行きたいと思っていた鹿島槍ヶ岳の山行をしてきた。
当初はゆっくりと2泊3日の計画で考えていたが、台風の進路予想を見て1泊2日に変更。早朝から登り始めるために信濃大町で前泊をした。トイレだけ新調した超超昭和レトロな「山岳旅館いとう」で素泊まり、翌朝扇沢の柏原新道登山口の駐車場に車を停めて登り始めた。付近の駐車場には30台ほど停まっていたが、前日からの登山者の車が多かったようだ。
登山道はきれいに整備されていて登りやすかった。テン泊装備を担いでいたこともあり30分ほど歩いては給水などのため休憩を取った。予定よりやや遅れて種池山荘に到着。少し休憩した後爺ヶ岳に向けて出発。山荘の付近はすでに時期の終わったお花畑が広がっており、一面にチングルマの綿毛が風になびいていた。爺ヶ岳への稜線では、下から湧いてくる雲が時々晴れると鹿島槍ヶ岳や剣岳、立山などが少し見えて楽しい山歩きだった。爺ヶ岳山頂は残念ながらガスの中。そこを下り爺ヶ岳中峰、北峰をトラバースする道になる。爺ヶ岳は双耳峰と言われているが、どれだけ大きいのかと驚き。天気は信州側から雲が湧いては山を隠し、合間に日がさすとじりじりと肌が焼ける暑さになる。この日だけで半袖の腕が真っ赤に日焼けした。
冷乗越を過ぎると冷池山荘はすぐ近く。山荘で腹ごしらえをしてテント泊の手続きをする。テント場は10分ほど登ったところで、トイレの往復などには少し苦労した。
テント場は見晴らしのよいところだったが、ガスのため時々しか景色が見えない。また、台風の影響もあってかだんだん風が強くなってきて、夜中はテントがバタバタとはためいていた。
二日目は4時頃起きて朝食を済ませ、5時前にはテントを出る。濃いガスが吹き付け、体が濡れる。この日は前日にもまして風が強い。ガスガスの稜線を登り、布引山で休憩、さらに頂上手前の所までガスは晴れなかった。「残念だが、山頂標識を見るだけで下山か」と思いながら山頂に着いた頃、下から吹き上げてきたガスが時折切れて、正面の剣・立山がきれいに見える。さらにと雲海の向こうに槍の穂先や穂高なども見えてきた。しかし、風はさらに強くなってきて、予定していた北峰まで行くのはやめることにした。一緒に登ってきた横浜から来た女性はそこから八峯キレットに行くかどうか迷っていたが、結局行くことにしたようだ。
山頂から下山し始めるとさらにガスは晴れてきて、振り返ると山頂がきれいに見える。また、これから下山する爺ヶ岳方面も種池山荘まで見えるなど、展望を楽しむことができた。
テント場に戻りテントを撤収。冷池山荘でトイレを済ませて下山し始めると再びガスに包まれ、冷乗越あたりまで来るとまた風も強く吹いてきた。強風の中爺ヶ岳のトラバース道を登り返すと、途中で雷鳥を1羽見かけた。まだ夏色の羽だったが、少し羽を広げると尻の方に白い羽も見える。だんだん冬色に変わっていくのだろうかと思った。
爺ヶ岳南峰から種池山荘までの稜線では強風が暴風に変わり、横殴りのガスが吹き付ける中を飛ばされないように下った。雨が降ってなかったのが幸いだったが、やはり台風の影響だったのだろう。
種池山荘で名物のミックスピザを注文、風のため小屋の中の荷物置き場で食べた。パリパリと堅く焼いてあっておいしいピザだった。山荘から下山路を進むが、稜線から降りるとほとんど風の影響はなくなり、日差しはないものの蒸し暑さが増してきた。包優岬、石畳、ケルンと下ってきて、駅見岬あたりで扇沢の駅が見えてくる。最後の標高差500メートルくらいが足が重くなり、暑さが体にこたえた。午後3時頃登山口駐車場に到着。停まっている車は10台ほどになっていた。
まだ夏の暑さも残っていたが、アザミやリンドウなど紫の花が目立った初秋の鹿島槍ヶ岳。爺ヶ岳ともども登りがいのある大きな山容を満喫した山行だった。