【日 程】
2022年7月27日(水)~7月31日(午前中は晴れ、夕方から雨)
【参加者】
T本、I野
【行 程】約45.7km 上り:約4,111m 下り:約3,050m
〔1日目〕
新穂高温泉(12:40)・・・林道ゲート(13:00)・・・笠新道登山口(14:05)・・・わさび平小屋(14:20)小屋泊
〔2日目〕
わさび平小屋(04:30)・・・小池新道登山口(04:50)〔休憩 5分〕・・・秩父沢出合(05:45)[休憩 10分]・・・シシウドが原(07:00)[休憩 15分]・・・鏡平山荘(08:20)[休憩 20分]・・・弓折乗越(09:45)[休憩 15分]・・・双六小屋(11:25)・・・双六岳(13:40)〔休憩 10分〕・・・双六小屋(14:45)小屋泊
〔3日目〕
双六小屋(04:20)・・・樅沢岳(04:55)[休憩10分]・・・硫黄乗越(05:55)[休憩 10分]・・・左俣乗越(06:55)[休憩 10分]・・・千丈沢乗越(08:55)[休憩 10分]・・・槍ヶ岳山荘(10:20)小屋泊
〔4日目〕
槍ヶ岳山荘(04:20)・・・槍ヶ岳山頂(04:55)[休憩 15分]・・・槍ヶ岳山荘(05:20)[休憩 40分]・・・播隆窟(06:40)・・・グリーンバンド(06:45)[休憩 5分]・・・大曲(08:25)[休憩 10分]・・・槍沢ロッヂ(09:20)[休憩 10分]・・・一ノ俣(10:15)・・・横尾(11:15)[休憩 20分]・・・徳沢(12:40)テント泊
〔5日目〕
徳沢(05:20)・・・明神(06:05)・・・河童橋(07:00)[休憩 5分]・・・上高地バスターミナル(07:05)・・・田代橋(07:25)・・・西穂登山口(07:30)[休憩 5分]・・・上高地・焼岳分岐(10:45)・・・西穂山荘(11:10)[休憩 10分]・・・西穂高口駅(12:10)・・・新穂高温泉駅(12:40)・・・登山者駐車場(12:50)
【報 告】
(1日目-熊さんに出会った)
高速道路飛騨清見から高山道を通って、新穂高温泉駐車場に昼頃着いた。平日で駐車台数はそれほど多くはなかった。身支度をして登山届を出し、左俣林道をワサビ平小屋に向けて出発。入口のゲートに小屋の掲示板があり、テント場に熊が出たのでテント泊は休止とのこと。電話をかけて急遽小屋泊まりに振り替えてもらう。
林道をどんどん進んでいくと、下山する登山者から「笠新道入口付近で小グマがいて全く逃げない」との話、そのまま通り過ぎてきたとのこと。私たちも笠新道の手前で道ばたに座り込んでいる小グマを発見。どうしようかと相談したが、知らん顔して通り過ぎようということで、歩き始めると熊は藪に入っていった。子グマは可愛かったが、親グマが出てきたらと思うとぞっとしたが、無事でよかった。小屋でも警察に相談しているが人を襲ったりしていないので、対応に苦慮しているとのことだった。
(2日目-ワサビ平~双六岳は花がたっぷり)
次の日は朝3時半に起きて朝食、身支度を整えて双六小屋に向かう。小池新道入口から秩父沢シシウドヶ原と進むと右手に槍や穂高、左手に抜戸岳、南に焼岳や乗鞍岳などが見える。鏡平山荘についた頃には雲が多くなって景色はほとんど見えなくなったが、雲の切れ間から槍ヶ岳が顔をのぞかせるなど、幻想的な風景も味わうことができた。登山道の両側に様々な花が咲いていて、特に弓折れ乗越付近にはシナノキンバイやハクサンイチゲ、ヨツバシオガマやダイモンジ草などが咲き乱れ、疲れを癒やしてくれた。
双六小屋に到着後双六山頂を往復。少し険しい坂を上り、山頂台地に出ると天空の滑走路と言われる独特の地形の中をゆったりと歩いて山頂に着く。残念ながら眺望はなかったが、その山容を楽しむことができた。双六小屋で体を休めていると夕方には激しい雨と雷も鳴るなど不安定な天気だった。
(3日目-眺望を楽しむ稜線歩きとヘリの挨拶)
3日目も3時半に起床、朝食を食べて早々に小屋を出て、樅沢岳の山頂付近でご来光を拝む。モルゲンロートで光る周囲の山を見ながら、快適な稜線歩き。小ピークをいくつも越えながら大きく迫ってくる槍ヶ岳に向かう。この稜線歩きでもまだ残っていたチングルマの花や小バイケイソウの花などが目を楽しませてくれた。数カ所の鎖場を過ぎて千丈谷乗越までたどり着き休憩をすると同じ山の会のメンバーと偶然遭遇、しばし交歓して、一足先に槍ヶ岳に向かう。昼前に槍ヶ岳山荘に到着し、チェックインしたが、穂先は見えるものの周囲の山が雲に隠れて景色はいまいち。山頂は翌日にして山の会の仲間とゆっくりとビールを飲むことにした。この日は山荘への荷揚げの日で、ヘリコプターが何度も荷物を運んできた。荷物を下ろすとすぐに機体を傾けてシューっと上高地の方向に飛び去る姿が格好いい。最後には、機体を半回転させて、山荘前の登山客にアピールして飛び去った。みんな大喜び。
(4日目-快晴の槍ヶ岳登頂と長い槍沢下り)
4日目も3時半起床で弁当を食べ、ヘルメットにヘッデンを着けて外に出る。日が昇る前の少し明るくなったところで、穂先に登りはじめる。ステップや手がかりを確認しながら石を落とさないように慎重に登っていく。山頂に着いた頃に遠くの雲から日が昇ってきた。隣の穂高や遠く南アルプスや富士山、乗鞍岳や笠ヶ岳、昨日歩いてきた西鎌尾根や双六岳、鷲羽岳や薬師岳など、360度のパノラマを堪能して、記念写真を撮り穂先を下りた。
小屋の前でコーヒーを湧かして一服、槍沢を見下ろしながらくつろいで、6時頃出発。殺生ヒュッテを通り過ぎ、播隆靴を眺め、沢沿いに下っていく。3時間半ほど歩いて槍沢ロッジに到着。土曜日でもあり小屋の前では多くの人が休んでいた。そこからさらに2時間歩いて横尾山荘、小屋の食堂で昼食を食べる。
そこから1時間ほどで徳沢のキャンプ場に着きテントを張る。山の会の夏山集中企画で、メンバーが何人か集まってビールで乾杯し交流、夕方に雨が強くなりいったん解散。その後雨が収まり交流会を再開。夕食を済ませて8時頃に就寝した。キャンプ場は30~40張りほどで賑わっていた。
(5日目-激登りで西穂山荘からロープウェイへ)
5日目も3時半頃起床、朝食を済ませ、びしょびしょのテントを撤収して5時頃出発。林道を進んで小梨平から河童橋に着くとすっかり街の雰囲気。帝国ホテルを過ぎて田代橋を渡り西穂登山口。そこからしばらく緩やかな登山道だったが、20分ほどすると激登りに変わる。縦走5日目でテントを背負ってなので何度も立ち止まって息を継ぐ。焼岳に行くと言っていた後から登ってきた小柄な女性にすぐに追い越される。途中稜線に出て宝水のあたりでやや緩やかになりその後も2度ほど急坂を登り、11時頃西穂山荘に到着。西穂に登るのだろうヘルメットを着けた多くの登山客が休んでいた。
私たちはロープウェイ駅を目指してガンガン下る。1時間ほどでロープウェイ西穂口駅。この日は日曜日で臨時便がすぐに出発することになり、スムーズに新穂高温泉駅に着いた。駐車場に戻ると車があふれていて、区画外に停まっている車もあった。
近くの日帰り温泉が満員だったため、少し離れた「平湯の森」で湯ノ花がたくさん浮かぶ温泉で汗を流し、昼食を食べて帰路についた。
テント泊装備を携行しながら、小屋に3泊、テント1泊ともっぱらボッカ訓練のような山行だったが、充実した楽しい縦走となった。