参加者:K原(L)、T中博子、M田
7月29日(金)12:00 上高地バスターミナル
15:00 明神池を経由て徳沢キャンプ場
7月30日(土) 奥又白池
参加者:K原(L)、M田(感想)
6:15徳沢キャンプ場―6:30新村橋―7:30パノラマコース分岐ー7:40中畠新道分岐―9:50奥又白池ー11:30中畠新道分岐―12:00徳沢キャンプ場着
7月31日(日)快晴 蝶ヶ岳
参加者:K原(L・感想)、M田
5:30徳沢キャンプ場-8:15長塀山-9:15蝶ヶ岳9:35-10:10長塀山-12:00徳沢-14:40上高地バスターミナル
7月30日(土)奥又白池 感想:M田
当初はY岡パーティーと合流して6名で奥又白に向かう予定になっていましたが、4名が不参加となり、結局、さびしく二人だけで奥又白池に向かうことになりました。
奥又白池は、徳沢園とともに井上靖の小説「氷壁」の舞台として有名なところです。その昔、小説を読んでずっといつかは行ってみたい憧れの場所でもありました。「北アルプスの瞳」とも呼ばれている秘境です。新村橋を渡ってしばらくは緩やかな林道を歩き奥又白登山口に入ります。樹林帯を抜けると次第に大きな石のガレ場となり、さらに進むと涸沢へと続くパノラマコースの分岐です。大きな岩が分岐の目印になっていて、直登の松高ルンゼの方を登っていきます。少し行くと右手の尾根に上がる中畠新道への分岐となります。
ここから先が急登の連続です。ロープや木の枝をつかみながら四つん這いで登っていきます。所々背丈ほどの藪を抜けると絶景が広がります。前方に穂高の峰々、後方には蝶ヶ岳から常念岳への稜線がくっきりと見えてきます。トレースははっきりしていますが、足元が丈の高い草木で覆われているのでわかりにくく、踏み外すと深い雪渓の谷に転落しそうで怖いです。少し斜面が緩やかになり、トラバースぎみに登っていくと目の前がぽっかりと広がっていきなり奥又白池が現れ、感動の瞬間です。静かな湖面に青空と白い雲が映り、息をのむ美しさで、真正面には前穂高の壁がそびえ立っています。誰もいない天空の池をゆっくりと一周します。
満ち足りた思いで下山開始です。途中重そうなザックにヘルメットの若者のパーティーが登ってくるのに会いました。池の周りでテントを張って翌日に前穂のクライミングだということでした。他にはだれに会うこともなく、静かな、そしてちょっと緊張感のある山歩きを楽しむことができました。憧れの奥又白池に行けたことに感謝、感激の集中2日目でした。
7月31日(日)蝶ヶ岳 感想:K原
午前3時に目が覚め、テントの外に出ると降るような星空だった。低地の町中ではまず見られない信じられないほどの数の星が、当然のように燦然と輝いていた。昨夕の不安定な天気とは一変して朝から晴天が期待される。準備ができ、何人かの会員に見送られて出発し、徳沢園の小屋の横から長塀(ナガカベ)尾根の急登にかかる。標高差700mの急な尾根を前に「今の私は以前のように登れるだろうか?」と不安がよぎる。
昨夕の雨で登山道は湿り、草木は濡れ、泥濘が多い。この尾根は昼近くまで陽が当たらないだろうから、帰りもこの状態かと思いやられる。喘ぎながら登っていると2000mを越えたあたりから異変を感じ始めた。苦しくは無いが呼吸が上がり、頭の中で「シーン」という音がするように感じ、足元が少し覚束なくなってきた。「やっぱり来た!」と思った。前には富士山頂上付近か、4000mを越える山で感じた感覚の弱い状況だ、これくらいの高さで感じたということは、やはり前と違ってきている。さほどキツくはないし、登山道は危なくないのでゆっくりと登り続ける。
長塀山(2564.9m)に着いた頃にはだいぶ落ち着き、登山道も緩やかになった。この山頂は展望もなく。時間も予定より早かったので、予定通り蝶ヶ岳まで行くことにする。そこから樹林の高さが低くなってきて、池や湿原が現れ、高山植物が見られるようになった。2600mにある妖精ノ池はその名のとおり、神秘的な湖面と周りのお花畑が素晴らしい。その少し先、2640mあたりの窪地のところで初めて遠くの山が見えた。さらに山頂台地の砂礫地に出ると大展望が待っていた。蝶ヶ岳(2677m)山頂から北は大天井岳あたりまで、西は槍ヶ岳から、南は焼岳まで。穂高連峰は山頂あたりだけ雲がかかり始めていたが、雲間に前穂や槍のピークが見え隠れする。懐かしさで柄にもなくジーンとくる。もうあの「山酔い」のような感覚は感じなくなっていて、この高さの山頂まで登って来られたことに達成感、満足感を持てた。そしてさらに高い山域への再チャレンジに心の中で闘志を持つことができた。同行してもらったM田さんに感謝。
下山はわりと早く歩け、どんどん高度下げるが、さすがに長塀尾根は長い。急な尾根をかなり降りたと思ってもなかなか着かない。あと「1km」の表示板からが最も長く感じ、これはない方がいいと思った。徳沢園の赤い屋根が見え、広いキャンプ場に着いたときはさすがにほっとした。膝に結構負担がかかっているのを感じた。「これからあとどれほどの山に行けるか? 歩ければ低くても山に行くだろうな・・・」