「野坂山地ブナ林伐採ストップ」にご協力ください

 すでにご存じの方もおられると思いますが、野坂山地の野坂岳~庄部谷山~芦谷山と続く尾根に、大規模な風力発電が計画されています。
 構想では、風力発電設備20~25基で、設備容量は最大10万5000キロワット。美浜町は、事業の可能性と地域の理解を前提に「事業者と協力して誘致を進めていきたい」と表明、2020年5月に議会で事業者からの説明を受け、誘致計画を進めることをきめました。

 9月に山友会のメンバーと一緒に甲森谷から庄部谷山付近を歩いた時には、横谷川の傍で、調査のための伐採が始まっていました。11月にも予定地の尾根を歩きましたが、風力計測のための機器設置の最中で、すでに多くのブナが伐採されていました。原発や火力発電への批判が高まる中、行政の強力な後押しによりクリーンエネルギーとして風力発電・ソーラーパネルによる発電計画が各地で進められています。気がかりなのは、これらのエネルギーを得るための設備設置には大規模な自然破壊を伴い、なおかつ設置後のメンテナンス、環境・住民の健康などへの影響に関する調査は義務付けられていないことです。

 野坂山地には、野坂岳~芦谷山、庄部谷山などのピークがあり、滋賀県の大谷山、赤坂山、三国山、大御影山をつなぐ尾根には素晴らしいブナ林があります。伐採されてしまえば、取り戻すことはできませんし、建設事業(風車や資材運搬のための林道建設)による土砂流出が与える流域の谷への悪影響も案じられます。

 

 発電計画が進められるにあっては、環境影響評価の観点から、住民が意見を提出することができる機会が3度あります。行政と事業者の間で取り交わされる手続きには、①~④の段階があり、(①計画段階環境配慮書 ②環境影響評価方法書 ③環境影響評価準備書 ④環境影響評価書)、私たちが野坂山地での発電計画に気づいたのは、すでに①の配慮書での一般意見提出が終わった後でした。②の方法書への意見書提出の締め切りは3/1(月)でした。③の準備書の時、もう一度一般意見を出せる機会があります。④の評価書が出てしまうと、もう一般からの意見を出す機会はありません。

 

胸高周囲       
(1)355cm (2)332cm (3)335cm    (4)325cm (5)あがりこブナ (6)345cm (7)325cm (8)300cm (9)320cm 

(10)375cm   (11) 345cm (12) 355cm (13) 310cm (14) 375cm (15) 355cm (16) 290cm (17) 325cm 

(18) 355cm 18.19は2本ほぼ同じ場所 (19) 355cm (20)310cm    (21) 300cm (22) 365cm (23) 310cm (24) 375cm (25) 325cm (26) 300cm (27) 325cm

                                                                                   2021.4.11  滋賀山友会、日本熊森協会滋賀県支部  倉内光代