創立50周年記念山行「滋賀の50座」完登!

上谷山(1196.7m)山行報告
[山行日] 2020年11月29日(日) [天候] 晴のち雨
[参加者] (L) K原、A隅、M田、M内、K澤、Nま、K口、Y岡、N西、T中、K森
[コースタイム] 針川集落跡6:45―8:20・727ピーク―9:05・794ピーク―

11:00・1059ピーク―12:50上谷山山頂13:30―16:20・1041ピーク―17:35・794ピーク―19:40針川集落跡

【記録】

 ついに上谷山に登れました。それも無雪期に滋賀県側から。「滋賀の50座」の最後で、49座目の那須ヶ原山~油日岳が2019年3月30日に登られてから1年8か月が経っていました。私K原が担当で、その間5回も計画しながら、不備による失敗や天候などによる延期・中止を繰り返していました。それらはほとんど残雪期に福井県側のコースでした。お天気と雪の状態が普通なら大体行けるはずでしたが、なぜか行けませんでした。「滋賀の50座」なのに福井県側から登ることが気に掛かっていたからかもしれません。
 それが今年4月に比良雪稜会の滋賀県側から登る計画を聞いて、同日同コースで登ることを提案しましたが、緊急事態宣言で中止になました。今回同じように再チャレンジすることになりましたが、残雪期や春と異なり、歩きにくくなっていると思われました。無雪期で特にヤブが深く、登山道が無い滋賀県側から、しかも50周年記念山行としてギリギリの機会と覚悟して実施することにしました。凄いヤブでたいへんな山行になることを知ってか知らずか、参加者は11名になりましたが、全員が山頂にたどり着けるか危惧しました。
 皆さん、まだ真っ暗な4時前後に家を出て、明るくなってきた6時20分に登山口へ集合。比良雪稜会の8人と合わせて19人が一列になって出発。最初は急な登り。緩やかになっても判別しにくい踏み跡をたどり、ブナ林の美しい尾根へ。781.2mの石留山三角点、大ブナを過ぎるあたりからヤブに近くなる。大岩からコルに降りた所から猛烈なヤブが始まる。進行方向がほとんど見えなくなり、尾根を外さないように少しでも歩けそうな所を搔き分け進む。気がつくと前後に人が見えない。大声で呼ぶと4~5mほどの所から返事がある程。頂上までどれくらいあるのかわからないのに、タイムリミットが近づく。先発組の「ここだあ」の声が聞こえ、やっとのことで径5mほどの伐り開かれた山頂に飛び出た。少しずつ間をおき、全員が登頂、まずはホッ。皆それぞれに景色を見、写真を撮り、行動食を摂る。ゆっくり感慨に耽る暇もなく、下山開始。登りより下りが危険なことを全員に伝え、一列で離れずにヤブを搔き分けて、焦らず急いで降りる。比良雪稜会のグループも少し遅れて登頂。何とか酷いヤブを抜け、踏み跡がわかるようになった頃、雨が降り出した。雨衣を着、ヘッドランプを準備して、降りるうちにすぐ周りは真っ暗になる。滑りやすくなった急坂を方向確認しながら、登山口に降り立ったのは午後7時40分。出発から約13時間でした。全員登頂し、ケガやたいしたトラブルも無く、無事下山できたことにやっと安心。。
 想像以上の凄いヤブで予定より時間がかかりましたが、参加された皆さんのご協力のおかげで「滋賀の50座」最後で最難関の上谷山山行を終えることができました。本当にありがとうございました。K原 記 

 

【参加者の感想】

 記念50座の最終になったが困難な「上谷山」。何度か挑戦されているが断念に終えている。今日しかない。雨マークも無く朝4時集合で現地に向って出発。他の会も含めて5台のライトが連なって走る光景も異様に思える。細い土の山道を走ると針川集落跡がパーキングになる。当時このような山奥に住民が暮らしていたんだ。
 最初から急登が始まり多くの落葉で滑るが、下山が気になる。暫く歩くとブナ林台地で可笑しな奇形の大木もあり幼木は雪の重みで曲がっている。新緑の頃はさぞ美しいだろうなあ・・とルンルンと楽しんでいると、少しずつ笹が混ざって来た。まだ機嫌よく歩けるが、突然2m程のいきの良い笹が密集してきた。前の人に少し離れると何処に行ったか分からない。「どこにいるの~」笹をかき分け倒し踏みしめ進むしかない。先発隊4人の男性達が鋸、鎌で切ってくれてる跡があり、この道で正しいと安心して辿って行くが「もう嫌だ!」これがヤブ漕ぎなのか。どこに足を置いても笹に負けてしまって跳ね返ってしまう。顔はヒリヒリ。必死でメチャクチャに進んだ。 先発隊の方が迎えに来てくれて山頂に着いたが高い笹を刈り取ってある狭い場所で長い笹の密集で景色は見えない。
 下山では尾根が幾重にも光を浴びて美しく輝いている。遠くに竹生島がふわりと浮かんで見えた。スノーシュー、山スキーなら最高に気持ちいいだろうなあ。下山はある程度ヤブ漕ぎの要領は得たが、そこを抜けた辺りから雨が降り始め暗くなってきた。足元の見にくさと濡れ落ち葉に隠れた小枝に足を取られ、滑って転んでの長丁場。こんなに長く登ったのかしら・・。疲れと悪条件だと長く感じる。もう少しだ頑張ろう!と声を掛け合う。するとY岡さんの車のアップライトが眩しく眼前に輝いた。彼が暗い下山最後を明るく迎えてくれたのだ。彼の心遣いがとっても嬉しくて・・・。皆の歓声が上がった。
 困難な山を最終に持ってくるとは忘れられない50座記念山行になった。長年山歩きをしてきたが数分の休憩、つかの間の立ち食、そして13時間も歩いたのは今回が初めてでした。要請を受けた方々も快く引き受けて頂いて、安全に導いて下さったから皆が怪我無く無事に下山出来ました。大変帰宅が遅くなりお疲れになられたと思います。ありがとうございました。
 来年の話になりますが、2021年10月24日(第4日曜日・午後から)滋賀山友会50周年記念祝賀会が盛大に執り行われることを祈りながら、皆様に感謝いたします。A

 

一生分の藪漕ぎをしたような上谷山でした。10年前の山行で、1041m近くの大岩の上から眺めたその先は、少しの藪を凌げばあとは気持ちよく歩けそうに見えたのですが、とんでもなかったです。先行してくださった頼もしい男性陣のおかげで、無事に山頂に立つことができました。予想外の晴天となり、見事なブナ林や周辺の山並みや琵琶湖の景色を思う存分楽しむことができました。しかし、13時間もの行動で、下山時は真っ暗で、おまけに本降りの雨となる中、一人も怪我をすることなく無事に下山できたことが何より有り難いことでした。貴重な経験をさせていただきました。M田

 

50座ラストの「上谷山」積雪期に登る山をあえて藪漕ぎで挑戦!2019年積雪期・敗退 2020年計画はするが雪が少なく断念 3度目の正直で11名全員登頂できたことに感激です。会員の中には、単独や3人での登頂報告はあります。11名全員が藪漕ぎを経験というよりも「して」登ったことに個人の体力、忍耐と根気とそして仲間の絆があってこその登頂に、私は感動します。
50座ラストにふさわしい山行(快晴・急登・ブナ林・藪漕ぎ・雨の中ヘッドランプでの下山・13時間におよぶ長時間山行)すべてが忘れられない山行になりました。M内

 

50周年記念最終「上谷山」に参加し、達成の瞬間に立ち会うことができて、とても嬉しく思います。笹藪は想像を遙かに超えていましたが、皆さんからパワーをもらって、山頂に立つことが出来ました。これからも、先輩から教えていただいたことを、後に続く人達にお伝えしていきたいと思います。K澤

 

近江百山最難関の上谷山を滋賀県側から無雪期に事故なく無事登れ帰山できたのは、先発隊の方々のルートファインディングがあったことに深く感謝します。大岩まではこれからも機会があれば別の季節に登りブナ林を満喫できればと思います。延々とヤブを掻き分けてのチャレンジはもう懲り懲り、二度と御免です。でも、広野からは残雪期にまたチャレンジしてみたいと思いました。Nま

 

疲れました。正直舐めてました。岩魚釣りする際に、藪漕ぎする事が有るので、その程度で考えていましたが、薮ゾーンが出て来てから最後の最後まで藪漕ぎになるとは…。しかしながら、50座の最後の〆に参加でき、尚且つ登頂できた事を嬉しく思います。次行く時は雪の季節にします。K口

 

今回の五十周年記念の山行に参加させていただき、心うれしい気持ちで臨みました。山行開始早々急登があり、足元も滑りやすく疲れましたが楽しく歩を進める事が出来ました。道中、雄大なブナの巨樹には見惚れてしまいました。標高が1000mを越えたあたりから熊笹の藪漕ぎ開始。藪漕ぎ中は、人の声が聞きづらく少し距離が出るだけで見失うことがあります。途中敗退が頭をよぎりましたが、11名全員が無事に完登!!これが何より嬉しかったです。完登に酔い浸る時間もそこそこに下山開始。下山でも藪漕ぎには手を焼きます。藪漕ぎを抜けたあたりからヘッテンを装備。18時からは雨が降り出し幾度も滑って転倒・・・。19時40分無事下山。今回の50周年記念山行は色んな場面を経験出来ました。皆様ありがとうございました。Y岡

 

とにかく山頂までたどり着きたいと思い、笹をかき分けて必死に登りました。前のK原さんを見失わないように、がむしゃらに付いていきました。お陰で足は擦り傷だらけになりました。全員が山頂に着いたときは本当に嬉しかったです。山頂での写真は執念の賜物です。無雪期の上谷山に上ることは二度とないでしょう。とてもいい経験をさせていただきました。途中のブナ林は、空のコバルトブルーと相まって、まるで絵本の世界にいるような気持にさせてくれました。記念すべき山行に参加させていただいて、本当にありがとうございました。感謝でいっぱいです。N西

 

1041mを超えてからは、ブッシュまたブッシュの連続。想定していたとはいえ、持って行った鎌は役に立たず。K澤さんの馬力で、切り開いてもらい、何とか山頂に到着出来てありがとうございます。下りも、日没に加えて雨まで降り、GPSを睨みながらの下山だったが、少しブッシュが増えるとルートが解らず、下山も、登り同様の時間がかかった。T中