日 程: 2019年4月27日(土)~5月1日(水)
天 候: 曇り時々晴れ
参 加 者: K坂、K澤、MI(会員外)、HM(会員外)、H江(L/記録)計5名
コースタイム 天候
【4/27 尾鷲道 一日目】風雪のち晴れ(4時間30分)
大台P11:30、尾鷲辻12:10、白サコ12:40、マブシ嶺15:00、テント場16:00
【4/28 尾鷲道 二日目】晴れ(8時間45分)
テント場7:15、一本木7:30、木組峠8:00、新木組峠8:40、神明水9:10、
又口辻9:50、古和谷左岸高台10:40~11:00、山賊小屋跡11:20、渡渉点11:40、
インクライン跡12:25、古和谷林道終点12:40、クチスポダムゲート12:40、
坂下トンネル15:10、尾鷲市街16:00
【4/29 伊勢路 浜街道】曇り
【4/30 大杉谷 一日目】終日小雨(4時間10分)
宮川登山口11:30、千尋滝13:30、シシ淵14:20、桃の木山の家15:40
【5/1 大杉谷 二日目】曇りのち雨(7時間)
桃の木山の家6:40、七つ釜滝7:00、崩落地7:40、河原7:55~8:20、
堂倉滝9:10、粟谷小屋10:30、日出ケ岳12:50、大台P13:40
記録
平成から令和へ皇位継承の記念の10連休前半の5日間、大台ケ原から「尾鷲道」と「大杉谷」の周回をしました。実施前から天気予報が目まぐるしく変わっててんやわんや。当初4日間の予定を中一日余裕を持たせることにして5日間予定でスタートしました。
4/27AM9:00大台ケ原駐車場集合。皆前夜入り。夜半から天気は大荒れ、雨がみぞれに変わり雪に変わり暴風雪で寒いのなんの。今日は晴れるって予報だったのに、皆テンションだだ下がり。もう大杉谷の登山バスも桃の木小屋もキャンセルして今から尾鷲まで車で行って観光だけに切り替えようと言い出す始末。リーダーはやむなく桃の木小屋に電話をかけます。「今、大台が大荒れなので、明後日予定どおりそちらに行くことできなくて、なのでキャンセルを・・・。」「あら~そうなの。わたしのいる連絡所は海山だけど、下はよく晴れていいお天気よ。大台は天気が不安定な場所だからねえ、でも下ってきたら必ずだんだん晴れてくるから。今日と明日はいいお天気!大杉に登られる30日は雨かしらんけど、登山バスは走るしね、大杉谷は注意できるかできんかの問題だし、むしろ事故は晴れてる日に多いしね。」お商売ということもあるかもしれないけど、この桃の木の女将さんのアドバイスで勇気100倍。皆に決行を宣言して、暴風雪の中、難儀しながらパッキングして、MIさん隊長で出発。すると女将さんの言う通り、だんだん空は明るくなってきて尾鷲辻から尾鷲道に入るころにはすっかり青空に。尾鷲辻から少し進んだところの地面の低いところに目立たないようで、実はしっかり自己主張している「尾鷲道」の道標。白地に青く風にのってはためくような文字が、なんとも怪しげな世界の始まりのようで、ワクワク感MAXになる。ビジターセンターの駐車場から少し離れただけで静寂のすばらしい森。その森の山腹を遠くの山々を垣間見ながら下る。高揚感半端ない。堂倉山を巻いたら白サコ。白サコは東ノ川と銚子川の源流部。広くて野趣あふれる雰囲気の森が広がる。皆、大はしゃぎで大撮影会。
道は稜線の西側を巻き小さなアップダウンを繰り返しながら地倉山を越えマブシ嶺を目指す。木々の枝の間から尾鷲湾が見え隠れし始める。稜線の西はどこまでも続く山山々の大連なり。聖なる場所、紀伊山地は広い。地倉山からマブシ嶺へ続く稜線は圧巻だった。ここはアルプスよりすごいかもしれない。大迫力のギザギザの竜口尾根を眺める。その向こうには、奥駆道がどこまでも続く。東前方には、ランドマーク火力発電所の塔と尾鷲の海と町が見えた。あきらめずに来て良かったね。ハイテンションで何度もシャッターを切る。尾鷲道を歩いている今もこんなに幸せだけど、明日には尾鷲の町に着くと思ったら、うれしくてしょうがない。その前に今日もまだまだ楽しみがある。マブシ嶺からザレ場を下って今夜のテン場を探す。あたりをつけていた木組峠に行くまでの広い疎林の森のはずれに極上テント場み~っけ。MIさんが担ぎ上げてくれた獺祭スパークリングで乾杯。ワインも空けてウィスキーのお湯割りも飲んで、だんだん皆何話してるか意味不明になってよろめきながら各自のテントに戻った。夜は風神が舞い降りたかのような大風がテントに吹き付けた。そして、満天の星空だった、そうだ。
翌朝、清々しさ半端ない。きのうのマブシ嶺も核心部だったけど、今日の古和谷も別の意味で核心部。今日の隊長はK坂さん、二番手はきのうに引き続き、ちいリーダー。再び山腹道を進む。朝日の射す木組峠が美しい。次来たときはここでテント張ろうね。新木組峠からは、古道の水平道を進む。稜線の龍辻山はまた次のお楽しみ。神明水に行くまでに岩壁からから滔々と水が流れていた。甘露の恵み。これも神明水かもね。長い水平道を経て、又口辻。いちばん最初の尾鷲道は、ここから柳の谷を経て又口の集落へ下っていたと。地蔵峠へ下る道も古和谷のトロッコ道もあとからできた枝道。いつか、この本当の尾鷲道の又口道も辿りたい。古和谷へ向かって斜面を急降下する。整備をされている有志の方々のおかげで安全に下ることができる。気がつくと、白地に青く風に乗ってはためく「尾鷲道」の道標。この整備のひとたち、ほんとに尾鷲道を愛しているんだなと思う。古和谷の沢音が近づいてくる。左岸の高巻道に入る手前の広くなった小場で一本たてる。すぐに沢底まで下りられそうだけど、道は下りずにだんだん高巻いていく。すぐに「山賊小屋跡」ちいリーダーが「ほんとに山賊がいたの?」と言う。想像力をかきたてるネーミング。どこまで高巻くのって思ったころ下り初めて渡渉点。誰もドボンしないなあ。右岸の道は所々道が崩れ岩稜帯を歩くみたいなところもある。ロープが張られているところもある。ロープにつかまらないと登れないところもある。元はトロッコ道なので道幅は広い。トロッコのレールを探すがなかなか出てこない。大きな岩壁が出てきたなと思ったら地面にレールが埋まっているのが見えた。MIさんがレールを留める釘も落ちていることを教えてくれる。犬釘と言うのだそう。急なインクライン跡を通過し、再び水平なトロッコ道が始まると、レールの残骸が道筋に見えるようになった。朽ちかけた木橋をいくつか渡り、ノスタルジックな雰囲気に浸って喜んでいたら、トロッコ道はあっけなく終わってしまった。
ここからは長い長い林道と車道歩き。なんとこれから3時間。坂下トンネルで待っててねと言うが早いか、K澤さんとちいリーダーは、ソッコー飛ばして行った。夜は、尾鷲駅近くの居酒屋「豆狸」さんで乾杯。地酒「ヤーヤ」が最高だった。
明けて翌日は新宮から熊野の「浜街道」観光珍道中の一日。そして雨の「大杉谷」の二日間。まだまだ話は続くのですが、あとは写真をご覧ください。満ち足り過ぎの5日間。同行して下さった皆さん、見守って下さった皆さん、整備の皆さん、すべてのことに感謝します。
(記:H江)
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