白山・加賀禅定道 ハライ谷登山口より天池室

日   程: 2017年10月8日(日)

天   候: 晴れ時々曇り

参 加 者: M本、MI(一般)、KT(一般)、H江(L)

コースタイム

ハライ谷登山口5:15出発、檜新宮7:15、口長倉P8:25、奥長倉避難小屋9:25、美女坂の頭10:45、百四滝展望台11:05、天池室11:35、檜新宮15:10、ハライ谷登山口16:35帰着


記録

 10月の三日連休の中日、日帰り往復で白山の加賀禅定道を歩きました。当初は連休の前にもう一日休みをとって、中宮道と加賀禅定道を周回するつもりでいました。でも、6日と7日は秋雨前線停滞で雨模様。8日の夜は、「くろゆり荘」にお泊りする大事な約束があります。歩ける日は、8日の朝から夕方までの一日だけとなりました。
 一日しかない!ならば、数ある白山の道の中でわたしのいちばんのとっておき、「一里野から天池まで、加賀禅定道を日帰り往復することにしました。一里野から四塚山と大汝峰を越えて御前峰まで行って、その日のうちに再び一里野まで帰ることは普通の者にはできません。
それでも、ピークには立てないことを割り引いても、どれか一つと言われたら、わたしにはこれしかない。
 前夜、降り出した雨の中、中宮レストハウスの駐車場にテントを張らせてもらいます。誰もいないレストハウスの軒下で、小宴会。今日はMKさんのお誕生日。いつもにも増して会話は弾みます。お開きしたら、四人それぞれのテントへ。明日は晴れますように。
 眠い目をこすり3時起き。星が出ています。良かった。月明かりに照らされて、ハライ谷登山口へ向かいます。5時過ぎ、ヘッドランプ点けていざ出発。登山口からいきなり高度差350mの急登が始まり息が切れます。でも美しい樹林の森に朝日が差してきて、皆の気分は上乗です。順調に檜新宮まで登って来ました。今日一日の無事をお祈りして先へ進みます。高度が上がるにつれて木々の彩もさらに美しい。視界も開けてきて、清浄ケ原のむこうに四塚山も優美な姿を現しました。振り返ると笈ケ岳のチャーミングなとんがりも見えています。MKさんが遠目に百四丈滝の上部が見えるのを発見して、皆ますますテンションアップ。奥長倉の避難小屋が近づく頃には、彼方に北アルプスの山々も見えました。奥長倉のピークを下ると美女坂の頭が聳え立ちます。美しい衣装をまとっていますが、わたしたちには試練の始まり、高度差200m激登りです。女子はみんな順番に足がつってへろへろりんですが、頭まで登れば百四丈滝の展望台はもうすぐ。11時過ぎ、やっと展望台に到着。大絶景です。ガスが上がってくる前に来られて良かった。広大な溶岩台地清浄ケ原から、突然垂直に落ちる百四丈滝。MKさんが、わたしもうこの展望台でお茶会して帰ってもいいよ、と言います。本当に、いったん腰を下ろしたら根が生えてしまいそうなくらいすてきな場所。でもまだ、見なければならないものがあります。
 笹原の中の尾添の三角点の横にずっと木道が続いています。少しくすんだ空から太陽の光が笹原を照らし不思議な美しさを放っていて、思わず何度もシャッターを切ります。残念なことに、時間切れと言ってすぐ先で引き返して来られたカップルとすれ違いました。先頭を行くMIさんが、僕らもやっぱりもう引き返す?と振り向きましたが、「行きますよ~!」と叫び返します。天池室の丘はもうそこに見えて、丘を越えたら、赤く染まったチングルマの葉っぱの絨毯がいっぱいに広がり、静かに水をたたえた天池から、ゆるやかに四塚山に登って行く道がずっと続いていました。天池室の石垣の上に立ちます。ここにいちばん来たかった。四人で思い思いの場所に腰を下ろして、幸せな時間に浸ります。ずっとここにいたい気持ちがわいてきますが、今夜は「くろゆり荘」に行かなければなりません。お茶会したら帰路につきます。
 帰り道の長いこと。よくもこんなに登ってきたなと思います。どろどろのぬかるみ。濡れてつるつるの木の根っこ。段差のある石の階段。登りと同じくらい時間がかかります。でも、登りでは見えなかった樹林のなんと美しいことか。「やっぱ、この道いいよね。」と感動に浸りながら無事ゴール。本峰どころか四塚山にも登れていないし、コースタイムものろのろだし、自慢できることは何一つないですが、それでも「くろゆり荘」の乾さんは、「やるなぁ。」とほめてくださり、ちょっと嬉しかったです。
 今年開山1300年の白山。お天気に恵まれたこの日、砂防新道から御前峰に登った人は1000人以上だったとか。わたしたちが加賀禅定道往復で出会った人は、片手で数えられるくらい。え~!と驚いてしまいますが、仲良し四人組で静かな秋の山旅を楽しめたことに感謝です。

(記:H江)

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