日 程: 2015年9月19日(土)~22日(火)
参 加 者: A井、O井
記 録:
19日(土)
渋滞なくすんなり平湯に着いたので、予定を変更して小梨平まで入り前夜泊とする。コンビニで買った焼き鳥やビールで控え目に乾杯で就寝。
20日(日)
小梨平を6時20分に出発。真水5Lと行動中の飲料1Lは久しぶりのザックに堪えるが、岳沢No.7標識まではウォーミングアップだ。南西尾根に取り付くといきなりの急登で息が上がる。前には男女ペアがいるのはわかっているが追い付きそうになく、その前に先週も明神5峰まで行ったと言う地元のおじ様に追い付き楽しく会話する。2100付近のフィックスロープ帯の簡単な岩登りでは思うように体があがらずO井は苦戦。ダケカンバの色づきに癒されるうちに、眼下に梓川と前方にはのっぺりとした5峰直下台地が現れそこで大休憩。追い付いてきた単独男性は笠ヶ岳まで縦走すると言う。5峰直下台地はテンバが点在する快適な場所であるが、10時半ということと2テンならこの先ビバーク地があることがわかっていたので先に進むことにした。5峰ピークは古いピッケルが立て掛けてあるのが印象的だ。ここから4峰にかけてのルートファインディングが今日の核心かと思っていたが簡単にピークに着いた。第1テンバ候補の4峰下には先行男女ペアがすでに陣取っておられたがまだ13時前なので探しつつ3峰は巻いて行く。すると2峰直下にかろうじて2テン張れるかの跡があり、時刻と資料をみてもここらでビバークが最良と判断。テントをどうにか設営したところで例の単独男性が通りかかり、3峰ピークにもっと良いビバーク地があるとアドバイスいただいたが、あそこまで戻るのは辛い。土木工事担当のA井さんが整地して下さってまずまずのテンバが出来上がり、高濃度のアルコールを水で薄めてちびちびやると気分も標高2900メートルまで上昇だ。東稜を登攀してきたと言う単独男性には凄い所に張ってるねと言われたが、落石の心配はほぼ無しと考えてA井さんがテントが落ちないようにしっかりした岩からスリングで確保してくれたので、最高のお宿なのだ。やがて3峰に数人の人影が現れ見えなくなったが、夕方になりシルエットが浮かび上がった。私が、゛3峰の人、お~い!゛と叫ぶと彼方もいろいろと叫ぶので、アルコールは全く足らなかったがとても楽しい夕暮れである。17時には就寝予定であったが、A井さんは久しぶりの絶景をしばし楽しんでいた。夜は、私は幽霊がA井さんは落石が怖くて爆睡できなかった。
21日(月)
4時過ぎ起床であったが、5時には3峰の5人パーティが動き出して私達の横を通過した。゛オバチャン二人でゴメンね~゛と声をかけてお互いの山行を労った。予定通り6時に出発してすぐに2峰ピークで2ピッチの懸垂。捨て縄を足さなくても大丈夫と二人で判断して、A井さんがまず降りる。主峰への登りはあっという間であった。最高のコンディションの中、主峰も二人で独占である。しばし休憩で、縦走してきた峰峰をうっとり見やる。2峰では男女ペアが手を振っているのでこちらもコールする。さて、主峰からしばらく下ると懸垂があるしまだまだこれから前穂高岳に向けて長丁場である。次の懸垂はクライムダウンも出来るそうであるが、懸垂支点もしっかりしているので無理をしないでまず私が降りてみた。コルまではロープが届かないと判断してピッチを切る。ここは残雪期にも懸垂したがロープが引っ掛かりリーダーが登り返した記憶があるので、慎重になった。奥明神沢のコルまでどうにかクライムダウンしてほっとしたのもつかの間、実はここから前穂までが大変だった。踏み跡が複数あるので惑わされないようにしっかりルートファインディングしなければ危険な所に出るし体力も消耗してしまう。今回は天気に恵まれたから前穂山頂も見えたが、やはりバリエーションルートなのだ。山頂に到着してシャッターを押していただいて、やっとがっちり握手した。明神主稜も前穂北尾根もガスがかかってほとんど見えなかった。しっかり休憩して紅葉が始まった重太郎新道をゆっくり下りた。コブ尾根、南稜、そして明神主稜、様々な記憶が甦る稜線が見渡せるのは最高の幸せだ。小梨平に15時着でテントを張って初めて売店に入って、価格にもうびっくりである。生ビール450円を片手に食堂に入ると声をかけていただいたのは前穂高岳山頂でも会った男女ペアである。もちろんお二人も生ビールで乾杯の様子。明神主稜で出会った皆さんは楽しいノリで女二人山行に花を添えてくださった。キリリと冷えた白ワイン一本650円を買って共に明神主稜を縦走してきたフリーズドライカレーと白和え、おつまみで飲み始めたが案の定すぐにボトルが空く。あーあ、二本は買っておくべきだったと反省。やはりシメはビールだと自販機でロング缶を買い、辺りも静かになった20時30分に就寝。
22日(火)
3日分の食料を荷歩していたので朝食を作り、8時発のバスに乗り込んだ。平湯BTの温泉を400円で入浴して、野菜直売所でしこたま買い込み帰路に着いた。車内では、晩酌のメニューから積雪期の山行計画案まで話題は尽きなかった。そして飲み過ぎでこれ以上太らないように二人で誓ったのである。
(O井・記)
Photo Gallaly