日 程: 2015年8月22日(土)~26日(水)
参 加 者: Y森(CL)、 N野(SL,救急)、 K西(会計)、 A部(装備)
幌尻岳(2,052.8m)~戸蔦別岳(1,959m) 一周ルート
幌尻岳は、第二ゲートから往復しすべて終えると距離一周32km、累積標高差登り1800m
■8月22日(土)曇り
8:45伊丹・・✈・・10:35千歳・・🚘・・道の駅「ウトナイ湖」・・🚘・・道の駅「むかわ四季の館」観光・・🚘・・とよぬか山荘着
22日は大阪から北海道へ向かい、最終目的地「とよぬか山荘」までの道中は観光~。「とよぬか山荘」ではお風呂も入り、夕食もジンギスカン料理!寝心地の良いベッドで寝かせて貰い、贅沢な一日でした。明日からは気持ちを引き締めて行きまーす。
■8月23日(日)晴れのち曇り
とよぬか山荘7:00・・🚌・・第二ゲート8:00→北海道電力取水施設10:10・・👟(渡渉)・・幌尻山荘13:30
7時発第二ゲート行きのシャトルバスに乗る。揺られる事1時間。運転手さんの「気を付けて~」に見送られて取水施設まで約2時間。この林道歩きは単調・・・途中クマさんの落とし物を2ヶ発見。まだ新しそう。今回、私たちがとった「額平川コース」は約3キロ遡行が強いられ、ルートを見極める事が必要なコースです。天候条件によって水量が増したりと遡行の困難度が左右される。途中下山された方が、「今日は膝くらいの水量ヨ」という事。取水施設で沢靴に履き替え渡渉開始。幌尻山荘まで高低差200メートル。登山道と徒渉を繰り返し(へつりの箇所もあるけれど鎖がついている)
本格的な渡渉は四の沢出合いから。水量と水流の確認をして安全に渡渉ポイントを選んで頂けるのは、沢経験の豊富なA部さん。さすがA部リーダー。安心してついて行けました。渡渉と登山道を歩く事を交互に繰り返す事14回は越えていたとの事。深くても膝位の水量でしたが、水流が思ったより速い所もありストックを手にしていなかったK西は差し出してもらったY森さんのストックを1本流してしまいました。渡渉棒があれば。
渡渉から1時間半あまり。「幌尻山荘」に到着。沢装備を干したり身の回りを整理したりと腰を下ろすのは暫くお預け。やっと落ち着いたところで、山荘の前にひいてあるブルーシートに座って第一難関突破を祝い「乾杯!!」明日も晴れます様に・・・
(K西 記)
■8月24日(月)曇りのち晴れ 時々ガス
5:05幌尻山荘(970m)発→6:45命の水(1,560m)7:02→9:18幌尻岳山頂(2,052.8m)9:50→12:13戸蔦別岳(1,959m)12:34→14:39六ノ沢出会(1,080m)14:55→15:32幌尻山荘着
早朝3時20分起床、明るくなるのを待って5時5分出発。山荘の南側から登って行く。急登の道は、岩や倒木、根っこもあって登り易い道ではないが、しっかりした道なので迷わず進む。1,500mの支尾根に乗ると戸蔦別岳方面の山並みが見えるが、山頂部はガスで見えない。1,560mの「命の水」は登山道を少し左に入る。岩の割れ目から流れ出す冷たい水でした。さらに進むと木々は低くなり、ハイマツ帯に変わる。1,740ピークに出ると幌尻岳、北カール、カールを取り巻く稜線が目の前に現れる。素晴らしく雄大な、日高の奥深さを感じる景色である。いかにもヒグマが住んでそうなカールです。カールの中には、小さな川が流れ、また、池塘も見えます。ここに降った雨はすべてカールの中を流れ額平川に落ちていくのです。登山道がカール側に入って行くとお花畑が広がっています。少しピークは過ぎていますが、まだまだ咲いています。少し風があるので、避けながら休憩しているとすぐ上に白のイワギキョウが咲いていました。初めて見ました。可憐です。休憩も終わり山頂を目指します。1,829ピークからは、再びハイマツ帯です。山頂近くで新冠ルートと合流すると間もなく幌尻岳山頂に到着です。
100名山90座目です。祝うようにガスも退散して山頂は青空が広がってきました。山頂からは北カール全体が見渡せます。ここまで遠かったというより、手続きや段取りにしんどかったよ。登れて良かった~。皆さんありがとう。でも今日は、ここで終わりじゃない一周コースです。そのため沢靴も持参しています。休憩後先を進みます。幌尻岳の肩はきれいに見えるのですが、残念ながら、戸蔦別岳はガスの中、でも期待が膨らみます。少し進むと今度は東カールが右手下に広がります。すると戸蔦別岳のガスも取れはじめ、尖がり山頂が見え始めました。記念写真ラッキー。そして幌尻岳の肩を下り始めると今度は七つ沼カールが右手に見えだします。振り返れば青空。そして前には、稜線を越えて流れるガスの中に虹が出ています。わ~、素晴らしい。こんなの初めて見た~。ガスで七つ沼が見えたり隠れたりしています。進んで行くと、尖がった山が続く稜線地帯に入ってきました。何回も登ったり下ったり巻いたり、一か所怖そうなトラバースがあったけど、皆さん無事通過。そして戸蔦別岳最後の180mの登りの途中から振り返ると、二つのカールを抱いた幌尻岳の雄姿を見ることができました。ガスのかからないうちに写真1枚ゲット。そしてようやく戸蔦別岳山頂に到着。
ここは幌尻岳の大展望所ですが、すでにガスが舞い山頂付近のみ隠れてしまいましたが、でもこれだけ天気が持てば大満足です。休憩後、下山に入ります。すると眼前にキタキツネが獲物をくわえて現れました。獲物はネズミかモグラみたいです。やはり北海道の山は奥深さを感じます。そして分岐点で西方向に向かいます。そして額平川を目指して急な岩場を注意して下りて行きます。岩がなくなったころ、ダケカンバのきれいな林へと変わって行きます。戸蔦別岳から2時間で六ノ沢出合に到着です。ここで沢靴に履き替えます。額平川を2~3回渡渉し、無事15時半に幌尻山荘に到着しました。沢道具を干したら、もちろんビールで乾杯です。(ビールだけは売ってます)無事に登頂し祝うことができてうれしいです。別チームの有名なガイドさんからの情報も貴重でした。そして、メンバーの皆様、ありがとうございました。
(Y森 記)
■8月25日(火)晴れ
幌尻山荘(4:15)→北海道電力取水施設(6:10)(6:30)→第二ゲート(8:10)(8:30)→とよぬか山荘(9:15)(9:50)→沙流川温泉ひだか高原荘(10:50)(11:30)→食事・買い物(11:40)(12:40)→「幸福の黄色いハンカチ」想い出ひろば(14:00)(14:30)→夕張岳登山口(15:45)(16:10)→夕張岳ヒュッテ(16:30)
午前3時に起床。幌尻山荘からの復路は渡渉から始まる。まだ暗闇の中、身支度を整え、荷物をまとめ、朝食用の乾パンをかじりながら沢靴に履き替える。昨日も下山に使った沢靴はたっぷり水を吸い込みずっしりと重く冷たい。夜明けを待つうちに寒さで震えるほどだ。夜明けを待たずにヘッドランプでいざ!出発。何故か気合いが入り、寒さとザックの重さを忘れるほどだった。緊張感いっぱいで渡渉に乗り込んだが、結果は意外。晴れ続きで水位が下がり、水の抵抗が少し弱まっていたからだ。夜も明け、太陽光線はまだ上空だったが、往路の不安とは裏腹にスイスイと順調に渡渉を繰り返した。渡渉回数は14だった。
シャトルバスでとよぬか山荘に戻り、レンタカーで温泉入浴、昼食、買い物などを終え、次の夕張を目指す。夕張では夕張メロンを探すが、時期が遅すぎてよいメロンに出会えず、昨年の「幌舞駅」に続き、高倉健さん主演映画のロケ地「幸福の黄色いハンカチ」想い出ひろばを見学する。映画の最終シーンを彷彿させるセットが残され、多くの人々が訪れるのを見ると、またしても健さんの映画人としての偉大さに感動させられた。
さて、夕張岳登山口下の駐車場までは、国道452号から「夕張岳300m」の標識に従って右折、林道へと入る。ゲートまでは5kmの舗装道、その先は未舗装のせまい林道が9km続く。駐車場からヒュッテまでは約20分。立て替えられたばかりのヒュッテは避難小屋のイメージからはほど遠い。太陽光発電による蓄電システム、明るいLED照明、清潔なバイオ式トイレ、掛け流しの天然水があふれる炊事場など、ぜいたくな設備が揃っている。夜は、真っ新な畳にフカフカの毛布を敷き、宿泊は私たちだけということもあって、久々にゆっくり休むことができた。6月下旬から8月いっぱいは管理人さんがボランティアで常駐。不在でも施錠することはない。財政破綻した夕張市の支援はほとんどなく、「ユウパリコザクラの会」が資金調達から運営まですべて賄っている。統廃合された学校の建材を運び込み、母屋のヒュッテを建てたのもボランティア。現在は、さらに炊事棟を建設中である。こんなに人が関わりあうのも、夕張岳が素晴らしい山だからなのだろう、と翌日の登山に思いを馳せて・・・熟睡(-_-)zzz
(N野 記)
■8月26日(水)晴れのち曇り
4:11夕張ヒュッテ(650m)発→4:15冷水コース分岐→5:14冷水の沢(1,005m)飲用×→5:40馬ノ背コースと合流(1,100m)→6:10石原平(1,250mシラネアオイ群生地) →6:25望岳台(1,305m) →6:55憩沢の水場,飲用×)→湿原台地の美味しい水場(1,420m)飲用〇→吹き通し→8:30夕張岳山頂(1,667.7m)9:05→吹き通し→湿原台地の水場→憩沢の水場→10:35望岳台→馬ノ背コースとの分岐→11:28冷水の沢→12:13夕張ヒュッテ12:30→12:48夕張岳登山口(575m)(ここで荷物を整理して空港へ)
北海道の山に登るという思いがかない、幌尻岳、夕張岳に行ってきました。夕張は、私の生まれ育った場所です。夕張岳は山全体が国の天然記念物に指定されており、花の名山として名高い山です。6月下旬頃から7月頃までが見頃だそうです。
前岳をトラバースしていくと目の前に夕張岳が“やっときた、感無量〝 しばらくして前岳湿原となり木道歩きです。夕張岳は蛇紋岩という特異な岩質で吹き通しの崩壊地は、シソバキスミレ、ユウパリコザクラ、ユウバリソウ、ユウパリリンドウ等、高山植物が多く生育している場所です。ここから急斜面を登り切ると夕張山頂です。眺めは、抜群。私の住んでいた所は、どこかなと思いながら最高の景色を楽しむ事ができました。
今回、Y森さんには、声をかけて頂き感謝です。皆様、ありがとうございました。
(A部 記)