日 程: 2014年8月12日(水)~15日(土)
参 加 者: AN
コースタイム:
8/12 晴れのち曇り
6:45伊那大島駅=8:35鳥倉登山口
8:50鳥倉登山口−11:05三伏峠11:25−12:30本谷山12:47−14:18塩見小屋14:29−15:47塩見岳西峰16:04−16:36北俣岳分岐−17:26 2830m付近(幕営)
8/13 雨のち晴れ
7:05幕営地−8:06蝙蝠岳8:14−9:45徳右衛門岳−13:50二軒小屋(幕営)
8/14 曇りときどき晴れ
6:07二軒小屋−7:54伝付峠8:12−9:03笊ヶ岳登山口−10:44天上小屋山10:53−11:51生木割山12:03−13:45椹島下降点14:00−14:36笊ヶ岳(幕営)
8/15 曇りのち晴れ
6:13笊ヶ岳−7:00布引山−8:19桧横手山−9:45山の神9:57−10:22広河原10:47−12:05老平−12:18ヴィラ雨畑(温泉&食事)
14:05雨畑(乗合いタクシー)=14:30大島=15:20身延駅
記 録:
今年のお盆は読売新道へ行こうかと考えていましたが、7月の白馬で人の多さに疲れてしまったので、やはり大好きな南アルプスへ。
昨年の宿題&続きをやるか、白根南嶺を歩こうか、とも思いましたが、一昨年から気になっている蝙蝠と、南アルプスの大展望台と言われる笊ヶ岳へ行ってみたい気持ちが強くなり。。普段の山行は車でアクセスするのでループ周回できるようなルートを考えますが、今回初めて往復公共交通機関を利用し、登山口と下山口が離れたルートを歩いてみました。
11日
深夜に伊那大島駅へ到着すると先客1名。埼玉から来られた単独の方で、塩見から北岳へ向かうとのこと。しばしお喋り後、登山者休憩所ヨコにテントを張って就寝。
12日
朝、鳥倉登山口行きのバスに乗車したのは6名だけ。他の方々も北岳へ向かうと言われていました。仙塩尾根いいのになぁ〜。。。
今日は三伏峠までの予定でしたが、明日が雨予報なので予定変更。行けるトコまで今日行っちゃって、晴れてる間に蝙蝠尾根と富士山見よう!ということで、”テン場以外には幕営しないポリシー”は”蝙蝠尾根見たい欲望”にあっさり負けたのでした。
車運転の疲れもなく、睡眠も十分にとれているので、いつも山行初日に感じる眠気やだるさを殆ど感じることなく順調に塩見岳まで来られました。西峰に登ると、蝙蝠尾根&富士山の共演!見たかった景色が見られてもう満足♪いやいや、今回はあそこを歩きに来たんだよ!と思い返すも、一昨年歩いた仙塩尾根、去年歩いた悪沢岳、そして美しい蝙蝠尾根に囲まれて、幸せ過ぎて、動けませんでした。
明日の日の出は望めないけど、せめて景色の良い所でテント張りたいなぁと、北俣岳過ぎてからは幕営地探し。ガレキの稜線上にテントを張りました(2830m)。ずっと歩きたかった蝙蝠尾根の稜線上でテント、蝙蝠岳と富士山(若干ガスってるけど)を独り占め❤︎、初日で既に大満足でした(^o^)
13日
今日は行動時間短いし、起きた時に行動開始でいいやーと緩い計画。3時に目覚めると夜中降っていた雨が止んでいる。「いま動くべき!?」と思ったものの、二度寝の誘惑に負けてしまったのでした。結局雨が小降りになったところで撤収し、行動開始。時折ザーッと降るも、ちょいちょい小降りになるしガスも切れたりしたので、稜線歩きは楽しめました。大きくなったヒナを連れたライチョウ家族にも会えました。
森林限界に入ると雨も止んできて、気持ちの良い森歩き♪ 蝙蝠尾根は、上部〜中部が楽しかったです。
今日は二軒小屋までは誰にも会わないだろうと思っていた所に、登ってくる人が!話してみると、南アルプスを登って下りて登って下りて…で今8日目。17日間山にいる予定とのこと!初日の重量は45kgもあったらしく、今でも余裕で20kg超えのザックだったけど、とっても爽やかに喋る方でした。山が好きで、2年前に東京から長野に移住したそうです。約3週間も山に浸れて、羨ましいですね。真似できないけど。
二軒小屋では濡れたもの全部を芝生の上で乾かして、まーったり♪ 二軒小屋には去年もお世話になりましたが、人が少なくて、落ち着けて、水が豊富で、たどり着くまでが少々大変だけど、いい山小屋です。いつか下山時に贅沢利用してみたいな。
14日
今日明日分+αで4.5Lの水が重い…ずっと山が見えないすっきりしない天気でなかなかテンションも上がらず、伝付峠からはチラホラ藪漕ぎや踏み跡薄めの箇所もあり、ルートを確認しながらのんびりペースで歩きました。
最後の登りに向けて休憩しているときに富士の裾野がチラっと見え、「よっしゃ!きっと素敵な景色に出会えるはず!ご褒美もらえるはず!」とテンションアップ!最後のひと登りを踏ん張ると、「出た!!」ポツンと飛び出た笊ヶ岳山頂。ぐるり360°を見渡せる絶好の展望台。南アルプスオールスターズ、富士山、小笊。ガスをまとっているけれど、それがかえってカッコ良さを助長していて、感動。
あとはガスが切れるのを待つだけ。頂上直下にテントを張ってまったりしていると、「山梨側の空が青い!」慌てて山頂へ向かうと、「でーたーー!」待ってましたの景色がどどーんと目の前に現れ、しかもガス&太陽ということで、出ましたブロッケン!頑張った甲斐があったなー。ここに来ると決めて良かったなー。笊ヶ岳サイコー!南アルプス大好き!これだから山やめられないよねー。と久々の嬉し泣きでした。
※登山口の案内図には笊ヶ岳山頂直下に”テント”と記されていますが、ソロテン2張りほどのスペースしかありません。老平からであれば、手前の布引山と桧横手山にも”テント”箇所があり、こちらは少し広めです。
15日
3時半。星は綺麗だけど、地上には雲がたっぷり。日の出は諦めて、ゆっくり朝食と片付け。撤収しながらちょいちょい山頂へも様子を見に行き、移ろいゆく景色を眺める(山頂直下テントならではですね)。一瞬一秒で表情が変わり、色も影も全てが美しい。北岳から南アルプス深南部まですべてが見渡せて、富士山もすぐそばに見える。眺めても眺めても飽きない景色にあっという間に時間が過ぎていく。ここでずっと過ごせたらどんなに幸せだろうか。。。名残惜しみながらも山頂を後にしました。
昨日二軒小屋からのルートを歩いているからか、老平へのルートはとても良い道に感じました(時折現れるガレ場と土砂崩れ跡に気をつかいましたが)。渡渉注意の広河原は、初めて“靴脱いで渡渉”てのをやってみました。気持ち良かったです!
笊ヶ岳、本当に最高でした。
今度は晴れた日に蝙蝠岳登りたいです。
【感想】
今回、初めて公共交通機関を利用して山に入りましたが、思っていた以上にメリットを感じました→【運転疲れなく、睡眠をしっかりとって元気満タンで山に臨める・下山後もゆっくり眠れて疲れが取れる・渋滞に巻き込まれない】ので、また”公共交通機関を利用して登山”する機会を作りたいと思います。
入山下山の時間が交通機関の運行時間に左右され、行動時間に制限がかかってしまうというデメリットはありますが、登山口のある地元集落の皆さんと触れ合い、地域の抱える問題を考えるよい機会になると思いました。→下山時に利用した乗合いタクシーは、本来は地域の方々の足として定期運行されていましたが(それ故、200円と安い)、高齢化でそもそも家を出なくなってしまい、利用客が減ったため予約制になったとのこと。今回も乗客は私1人でした。かつては林業で栄えていた地域も、若者が住み続けていくための職が無くなって過疎化していく。大好きな南アルプスも、他の山域でも、日本各地で同様の問題は起きています。
私は山が好きで、山を歩くことが大好きだけれど、所詮山が生活の一部なわけでも山が生活のすぐそばにあるわけでもなくて、地元の方々の思いも苦労も知らずに生きています。生活をすぐに変えることは出来ないけれど、山を楽しめているのは地元の方々のお陰であるという感謝を忘れずに、地元の方々が山を大切に思って生活してきた歴史を感じ、山を取り巻く問題や自分には何が出来るのかを考えながら、山歩きを楽しんでいきたいと思います。
Photo Gallary (クリックで拡大)