日 時:2014年8月13日(水)~14日(木)
参 加 者:N田(CL)、H田
コースタイム:
【1日目】 晴れのち曇り夕方小雨
4:30新穂高登山センター - 5:40わさび平小屋 - 6:10小池新道入口 - 8:30鏡平山荘9:00 - 9:50弓折乗越10:10 - 11:10双六小屋(幕営・昼食)13:10 - 13:55双六岳14:05 - 15:00双六小屋
【2日目】 雨
4:30双六小屋 - 5:00樅沢岳 - 7:40千丈乗越 - 8:45槍ヶ岳山荘9:15 - 9:23飛騨乗越 - 10:05千丈乗越分岐 - 11:10槍平小屋11:20 - 12:40滝谷 - 14:00白出沢 - 15:15新穂高登山センター
累積距離:38.7km 累積標高:3010m
記 録:
14日の天気があまり思わしくないが、先週の山行も雨で取りやめたし、今週を逃したらアルプスは当分ないだろうから決行だ。12日夕方、新穂高に入る。この時間ならお盆休みでも無料駐車場は余裕があった。ここで有料または鍋平無料駐車場にまわることになると、少し気分が萎える。とりあえず第1関門突破で安心。まぁ、この為に1日使ったし当然の結果ではある。さて、落ち着いたら早々に道中に買ったビールでカンパイ。夕方から天気が回復し、明日以降この晴天が長続きしてくれれば良いなと思いながら、翌朝に備えて早めに就寝。
【1日目】
翌朝、13日。3時起床4時出発。天気がいいのであと1時間早く出発しても良かったかなと新穂高から左股林道を急ぐ。今回のルート、駐車場を含めすべてが初めて。見るものすべてを過去のみなさんの山行記録と重ねながら「あー、これか!」と少々感動しながら歩くのも楽しみ。笠新道登山口、わさび平小屋、小池新道と進んでいく。小池新道から登りは整備されていて歩きやすい道。秩父沢では振り返ってみる穂高が素晴らしい。この後、イタドリヶ原・シシウドヶ原の休憩ポイントを通過し、登山道もなだらかになってきたころ鏡平山荘に着く。今回の目的のひとつ、鏡池から穂高を眺めること。湿気が多いせいかクリアな視界ではないものの、南北に連なる穂高をここ鏡池から見ることが出来たことは幸先良しだ。
鏡平山荘から弓折乗越までは約1時間の行程で急登。それなりに気合を入れたのだが、鏡平山荘と穂高の眺めがすばらしく、登山道わきの高山植物のおかげもあってのんびりと乗越までアルプスの登山を堪能する。弓折乗越からの展望、お花畑も素晴らしかった。
笠ヶ岳との分岐の弓折乗越は登山者でにぎわっていた。笠へのルートも気持ちよさそう。またいつか縦走しよう。目指す双六小屋はあと1時間。気持ちよい稜線を進む。途中の花見平でもたくさんの高山植物。他の登山者さんも撮影に夢中だった。今しかないといった感じで雪田の傍にも咲き誇るお花たち。そんな風景を愛で2622ピークを越え山腹を下っていくと今日のテン泊地「双六小屋」が見えてきた。ちょうど双六岳と樅沢岳の鞍部にはまっている。後ろには鷲羽岳。素敵すぎるロケーション!初めてのテン泊をここにして良かったと実感する。何度となく小屋と下界を往復する荷揚げヘリを眺めながらテント設営した。
12時。無事テント設営も終わり、よく冷えた小屋のビールで乾杯した。山登りは早出早着が基本だが、それにしても早すぎだ。その分テント設営場所は選び放題だった。といってもすでに20張くらいはあっただろう。そうこうしているうちに午前中は見えていた青空もすっかり薄い雲に覆われてきた。午後は散歩に出かける予定だが、今日の寝床も出来上がってしまったものだからなんとなく面倒になり、当初計画の三俣蓮華岳への散歩は取りやめ双六岳ピストンに。なんなら三俣山荘のサイフォンコーヒー目当てにお茶でもと目論んでいたのだが、実際は疲労蓄積でこれが限界。鷲羽・水晶エリアは、またいつかゆっくりと訪れよう。双六岳からの穂高は今回の目的のひとつだったし、ガスってたものの双六の稜線と槍をしっかり眺めることが出来たことには満足。
双六からテントに戻り、まったりと晩ごはんまでの時間を過ごす。H田君はここまで歩荷してきた「岳人最新号」を読みふける。ザックに入ったし持ってきたとのこと。さすがだねー♪それからディナー用に赤と白のワインも!赤はほとんど空けたけど、白は飲めなくて申し訳ない。呑兵衛山行なら考えられないことだろうが、本当に白は新穂高までお持ち帰りした。
晩飯後は少々のお酒で十分まわってほろ酔いに。なんて安上がりな。笑。なので、さっさとシュラフに潜って寝ることに。ちょうどその頃、ぽつぽつとテントをたたく雨音がし始めた。明日はやっぱり雨かーとウトウトしているうちに寝てしまっていた。
【2日目】
夜中何度か目が覚めたが、覚めるたびに疲れがとれているのがわかりホッとしていた。そのせいか目覚ましに起こされるまでぐっすり眠ることが出来た。目覚めはよかったがこの後のテント撤収のことが頭をよぎり面倒くさい思いで朝ごはんを食べる。コーヒーも飲みたいがモタモタしてると雨が降りだしそうなので、黙々と出発準備を整える。で、風の吹く中テントもたたみ意外と早く準備出来たと思ったら出発予定時刻をとっくに過ぎていた。笑。幸いなことに雨はまだ落ちていない。4時30分、双六小屋に別れを告げ、すぐ樅沢岳の登りに取付く。先行者1名をソッコー追い越す。H田君は今日も絶好調なようだ。遅れないようついて行く。良い感じで一つめのピーク樅沢岳へ。槍展望台には、槍はガスに覆われていても、ご来光ショットを狙って三脚をセットされている方がおられた。一言声をかけ縦走路へ向かいはじめたその頃、ついに雨が落ちてきた。自宅を出る前の予定では、この日、槍ヶ岳登頂まではなんとかもってくれるだろうと自分都合な天気予報でいたのだが。そういえば、先月の針ノ木岳でもそうだったが、山では雨予報はだいたい早まることが、これで経験できた。
この先も雨はやみそうにない。初めての槍ヶ岳は残念ながら雨になりそうだ。晴天の穂先からの絶景の記録もあれば、雨でガスガスで残念やったねって記録もあるなーとかいろいろ思いながら、まったく姿の見えない槍へ一歩一歩進んでいく。しばらく歩くと一種独特な山が姿を現した。硫黄尾根だ。沢から尾根にかけては白っぽく、火山性ガスのせいか植物は存在しない。この沢を下ると湯俣川。すでに廃道となった伊藤新道のことをふと思い出し、地図で確認した。近年、三俣山荘ではこの伊藤新道の整備をされているとのこと。歴史を感じられるこの道をいつか歩いてみたくなった。
左股岳を越えて徐々に岩稜帯となっていく。千丈乗越は飛騨沢へ下りるエスケープの分岐点だが、雨でも槍の肩だけは行っておきたいと考えていたので迷わずアタック。前日、双六から見えていた最後の登りの標高差約300mは結構キツイ登りだったが、8時45分槍の肩に到着した。この天候で穂先へ行くことは考えてなかったので到着した時は、十分な達成感を得られた。
この悪天でもさすが槍ヶ岳山荘、玄関先にも山荘内にも人。さすがに雨に打たれるテラスには人はいなかったが、晴れていれば槍の穂先が目の前に~と想像を膨らませた。
槍ヶ岳登頂はあきらめ、飛騨乗越から飛騨沢ルートで下山する。新穂高まで距離14.4km、約6時間半の長旅が残されている。山荘のホットコーヒーで温まり、元気を出して槍平小屋までイッキに!と最初はいいペースを刻むも、最後は息切れ気味で小屋に到着。その後は靴擦れもあってペースが上がらず、H田くんに先に行ってもらう。疲労もピークか、滝谷手前で雨が上がっているのに気付かず、ずぶ濡れのレインウェアでしばらく歩いていた。H田くんとは距離が広がるのは仕方ないが、適当なところでレインウェア上下を脱ぎ、Tシャツ短パン&スパッツにウェアチェンジ。一服してからはくすぶっていたエンジンがかかりラストスパート。そして白出沢出合の休憩所で待っていてくれたH田くんと合流。最後にしっかり休憩をとり、新穂高まで最後の長ーい林道歩きで2日間の山旅が無事終わった。
(記:N田)