京都北山・赤崎中尾根~カズラ谷沢登り~小野村割岳

日   時: 2014年5月18日(日)
天   候: 晴れ
参 加 者: K坂(CL)、Y下、K村(記録)、T見(会外)
コースタイム: 佐々里峠7:30…8:43赤坂中尾根出合…8:48赤坂中尾根大杉群9:27…10:07由良トロッコ道出合…11:35カズラ谷出合(昼食休憩)12:10…【カズラ谷沢遡行】…15:28カズラ谷源頭部15:48…16:36小野村割岳…18:00ワサ谷下山

 

記   録

 朝4時45分に家を出て、4人が佐々里峠に着いたのは、7時20分。今回は、途中で沢歩きもあるので、沢靴を持っての先ずは、尾根歩き。佐々里峠をスタートしたのは7時30分。出発地点の標高が728mということもあり、歩き始めてすぐに、いい感じの尾根道となった。次々と見られるブナや、杉の大木に感激しながら、歩きやすい尾根道を行くと、雷に打たれて焼けてしまったのか、中が空洞になった杉の木が現れた。これが、赤崎中尾根への分岐の目印になっている。ここから、少し尾根を下ると、それまでに見た以上に幹周りの大きい杉が、次々と見られた。初めてこの光景を見る私は、その都度驚きと同時に畏敬の念に駆られた。私は自称巨木マニアで、あちこちの巨木を見てきたが(滋賀県内の巨木はたくさん見たし、屋久島の屋久杉も見てきた)、その中でも、太さと存在感と、群生という点で、私が見てきた巨木の中でここのが一番すごいと思った。杉の巨木はそれぞれ、樹形や樹皮の様子が違い、また、1本の木でも見る方向によって、雰囲気が変わり、本当に見応えがあった。
 杉の巨木群に別れを告げて、赤崎中尾根を北の方向に下っていくと、トロッコのレールが見えてきた。この後しばらくこの歩きやすいトロッコのレール道を歩けばいいわけで、これは楽勝!としばらく行くと、「この先危険立ち入り禁止」の札が… それをくぐって先へ進んでみると、本当に危険なところに出てきてしまい、少し戻って、別ルートを探索。谷に少し下りて、トラバースしたが、トロッコ道に出るには、崩れた崖を登ることになり、危険と判断。ロープの出番となった。山歩きでは、やはりロープが必要となる時がある。特に沢歩きでは必携かと思われる。楽勝だと思われたトロッコ道も、所々橋が朽ち果て落ちていたり、土砂崩れの跡があったりたりで意外と時間がかかってしまった。
 杉の巨木群のところではしゃぎ過ぎたのと、トロッコ道の迂回で手間取ったのとで、計画よりも約1時間半遅れでカズラ谷出合の河原に着いた。ここで昼食と、沢歩きの準備でしばし休憩。
 ここまででも見所がいっぱいあったが、これからがこの山行の本番部分。さらなる期待がふくらむが、由良川の支流カズラ谷の流れに足を入れ、心を静め、遡行を始める。5月に沢遡行は初めてだが、これもいい。新緑の葉を通したやわらかい緑の光が辺りを包んでいてくれている。その為か、ここの沢は、明るく感じる。滝は少ないが、栃の大木はたくさん見られた。広い沢なので、歩けるところはいっぱいある。滝が出てきてもそんなに大きな滝ではないので、滝を登ってもよし、滝の横を登ってもよし。久々の沢歩き自体を楽しんていると、前の方でリーダーの「エビネちゃ~ん!」の声。誰かと思って見に行くと、これは珍しい(らしい)エビネ蘭、(後で調べたのだが、詳しくは、サルメンエビネ)。私も見たことがない花なので、写真をいっぱい撮った。よくよく見るとおもしろい形の花だ。最近、園芸のため乱獲され減っているらしい。こういう花は、こういうところで、そっと咲いていてほしいものだ。エビネちゃんに見送られたり、迎えられたりしながら、高度を上げていくと、桐の若木の群生で、ブッシュ状態のところがあった。このブッシュに気を取られていたときに、1つ谷の出合いのチェックを忘れてしまい、予定外の沢を登ってしまっていた。次の谷の出合いで、現在地チェックをしたときにそのことに気付き、高さにして50m分ほど下って、予定の沢に入り直した。
 その沢を詰めていくと、水量がだんだん少なくなり、ついに最初の水が湧き出ているところまで来た。これはあの由良川の最初の1滴ともいえる。この由良川の源流の水を味わい、顔を洗い、ここでしばし休憩。
 その先のこのカズラ谷の源頭部分は意外とおだやかな斜面で、難なく尾根まで登り切ることができた。ここで、また杉の巨木が出迎えてくれた。
 小野村割岳に向かう。この辺りは、焼けこげた木々の跡が残り、山火事の跡が生々しい。
ここの山火事は2013年の6月にあったらしい。山火事跡を歩いていても焼け残った木々や、黒く焦げた木からも、新しい芽は出て来ている。ある意味自然はたくましい。
 小野村割岳から少し下ると未舗装の林道に出た。ここまで来れば楽勝かと思いきや、この林道がけっこう荒れていて、そこそこ斜度のある、ガレ場のようで、気が抜けない。そしてまた長い。
1時間半ほどかかって、ワサ谷を車道まで、下りてきた。
 巨木、新緑、トロッコ道、トラバース、沢歩き、滝登り、エビネ蘭、山火事跡。と、見所たくさん、アトラクション満載で、感動を伴う充実の一日だった。
リーダーのK坂さん、参加のみなさんありがとうございました。
行動時間10時間、沿面距離22km、本当の意味でお疲れ様でした。