日 程: 2013年8月2日(金)夜発~6日(火)
天 候:
参 加 者: K川(CL)、Y森(SL)、Y口、M田
コースタイム:
2日(金) 20:15瀬田東IC→23:40安曇野IC→24:10南安タクシー事務所
3日(土) 5:50タクシー事務所→7:05高瀬ダム→7:40ブナ立尾根登山口→10:15槍見台→11:25烏帽子小屋11:35→12:25烏帽子岳→13:00烏帽子小屋13:20→14:40三ツ岳北峰→16:30野口五郎小屋
4日(日) 5:40野口五郎小屋→6:00野口五郎岳→6:30竹村新道分岐→7:50東沢乗
越→8:30水晶小屋9:00→9:30水晶岳→10:05水晶小屋10:20→11:00ワリモ岳
→11:50鷲羽岳12:20→13:15三俣山荘13:40→14:35三俣蓮華岳→16:10双六岳→17:00双六小屋
5日(月) 6:30双六小屋→7:05樅沢岳→10:10千丈乗越→11:30槍ヶ岳山荘
6日(火) 6:20槍ヶ岳山荘→8:20槍平小屋→9:30滝谷→10:55白出沢出合→12:30新穂高温泉
2日(金)~3日(土) 1日目 晴れ
今回は、烏帽子岳から水晶岳、双六岳などいくつもの峰を越え、西鎌尾根から槍ヶ岳に向かう裏銀座縦走コースだ。不安定続きの天候からようやく抜け出し、タクシーでスタート地点の高瀬ダムに下り立った時には気持ちのよい青空が広がった。不動沢つり橋を渡ってまもなく、ブナ立尾根の登山口に出る。
いよいよ、北アルプス三大急登と言われる尾根の登りが始まる。見事なブナ林を楽しんだり、眼下に高瀬ダムを見下ろしたりするうちに、ダケカンバやコメツガへと植生の変化も見ながら、思ったより順調に主稜線にたどり着くことができた。烏帽子小屋に回り込むと、正面に赤牛岳から北に長く伸びた読売新道が目の前に広がり、感動の一瞬だ。小屋に荷物をデポして、烏帽子岳に向かう。青い空とハイマツの緑、白い花崗岩の斜面に群生する可憐なコマクサのコントラストが美しい。
ニセ烏帽子岳のピークに立つと目の前に、すっくと烏帽子岳がそびえている。まるで槍の穂先のようだ。静かな山頂からの眺めを楽しんで、小屋に戻る。尾根の登りで一緒になったパーティのほとんどは烏帽子小屋泊まりで、ここから先は急に静かな歩きになった。砂礫地の広い尾根を登っていくと三ツ岳北峰だ。西側には水晶岳から赤牛岳の稜線が、東側には、燕岳から餓鬼岳、唐沢岳の稜線、そして遠くに、目指す槍ヶ岳までが見えてくる。稜線の展望と、百花繚乱のお花畑に歓声を上げながら、今日一日の長い歩きに疲れもピークに達したころ、ようやく本日の終着点、野口五郎小屋にたどり着いた。
(M田 記)
4日(日)2日目 小雨のち曇りのち晴れ
・4時50分起床。風強し、曇り、雨は降っていないがやや寒し
・5時40分 野口五郎小屋出発。ガスの中合羽を着ていざ出発。
・6時 野口五郎岳の頂上へ。2924M。ガスで周囲の風景が見られず残念。特徴のない頂上。今日は天候に期待できず。・6時半 分岐----7時50分 東沢乗越-----・8時35分 水晶小屋到着・雨脚が強まる。小屋の中は雨宿りの人で溢れていた。しばし雨宿り。ザックを置いて、いざ出発。
・9時30分 水晶岳着 2986M------10時20分水晶小屋を出発
・11時10分 ワリモ岳着-------11時50分鷲羽岳頂上着-----13時13分三俣小屋着このころからガスが少しづつ晴れだす。・14時20分三俣峠-----14時36分 三俣蓮華岳山頂・16時12分双六岳着-----17時2分双六小屋着
◆野口五郎岳
ガスに覆われ視界ゼロ。頂上は広くまとまりのない感じ。稜線はなだらかで歩きやすかった。昨夜泊まった野口五郎小屋はいい感じ。
◆水晶岳
小屋からなだらかな尾根道を伝い、山頂へ。黒岳の別名を持つこの山は、周囲の山の頂上から見ると黒いそうだ。雨脚が強まり、天気は最悪。
◆ワリモ岳
晴れていれば、裏銀座の稜線歩きを満喫し、どこを見渡しても3000メートル級の山々の連なりを存分に楽しめたことでしょう。
◆鷲羽岳
ガスが徐々に晴れだし、向かう三俣蓮華岳の小屋が見え、黒部五郎岳の雄姿が遠くに見え、また黒部川の源流が遠く姿を現し始めた。
◆三俣蓮華岳
鷲羽の下りから見えた三俣蓮華の姿が印象的。双六へむかう稜線から槍が岳の穂先が見えたり、隠れたり。
◆双六岳
天候は悪くても、山の美しいお花が咲き乱れていました。小屋に着くころは、疲れがピークに達していました。
(Y口 記)
5日(月)3日目 小雨のち雨のち曇り
縦走3日目。昨日の11時間歩行から疲れもピークに達している。今日が、西鎌尾根を歩く今回の裏銀座縦走のハイライトコース。なのに朝から小雨。昨日の天気予報では9時頃から晴れマークだったのに、今日の予報では、雨。ついてないなぁ。で本来なら、双六小屋からは、くっきり聳え立つ勇壮な双六岳が見えるはずなのに、全く見えない。が、出発しないことには前に進めない。6:30気持ちを奮い立たせて出発!樅沢岳西峰、石屑の急な登りをゆっくり行く。山頂は、本来ならこれから向かう西鎌尾根と槍・穂高連峰のパノラマが楽しめる展望地なのに、これまた、何も見えない。「見えるはず、見えたはず」と無念を唱え、東峰に向かう。15分ほどで到着。ここで小雨が本降りに。。やれやれ。ガイドブックでは「周辺には、ミネウスユキソウの群落が広がり、イブキジャコウソウを見ながら」とあるが、確かにお花は奇麗に咲いている。が、雨が。。。すべての眺望を遮断してしまって「槍ヶ岳をずっと前方に見ながら、そして、様々な高山植物を楽しみながら西鎌尾根を歩く」と言う、ここへ来た者たちだけが味わえる最高の贅沢をお預けのまま、黙々と歩く。硫黄乗越へ向かうが標識もないのでどこか分からない。途中で、槍から来たと言うパーティに出合う。「標識がありませんでしたね」と。アップダウンを繰り返して左俣岳の登りのだろうクサリ場を経て、多分お天気なら気持ちのいい稜線を、今回の核心部の西鎌尾根を、雨の中、黙々と歩いた。やっと千丈乗越の標識が。ここで小休憩。ここからいよいよ、槍ヶ岳の肩までの急騰が始まる。かなり疲れている。(私一人だけだったが。)途中、別のパーティの一人が滑落を。危ない危ない。
11:30やっと槍ヶ岳山荘へ。取りあえず。やったね。雨で濡れた体を休めて暖と食事を取る。休憩室でしばし、休む。「槍に行かないのは、京都に行って清水寺に、祇園に行かないようなものだ」「槍に行かないのは比叡山に行って根本中堂に行かないようなものだ」「槍ヶ岳に行かないと今回の縦走が完結出来ない」などと言う意見に押されて、(すっかりゆっくりしてしまって、槍ヶ岳に行く気持ちが萎えていた私)、13:45小屋を出発。天候が悪かったので、誰も登っていない。お陰で渋滞もなく、すいすい登れて、14:25山頂着。「やった!!」「やっぱり登って良かった。槍ヶ岳、ありがとう!!」なにも見えなかったけれど満足満足。北鎌尾根から単独で登って来られた30代ぐらいの男性が、丁度、神社の横から現れる。「10回死にかけました」って。生還、おめでとう。凄いな。私たちは取りあえず、今回の縦走を槍ヶ岳登頂で完結したのであります。拍手!!
(K川 記)
6日(火) 4日目 小雨のち曇り
5時の朝食後、ガスが取れ、槍の穂先が見えるとのことで、小屋の外に出てみると槍どころか正面遠くの大天井岳も見えています。昨日登ってきた西鎌尾根も見たいと小屋の裏に回ってみると、おお、見える。西鎌もそして双六、三俣蓮華、鷲羽岳も。3日間歩いてきた尾根上の縦走路が遥かかなたまで繋がって見えています。うれしいです。今回雨が多かったので半ば見えないだろうとあきらめていたので、見えて感激です。しかし10分もたたないうちに西の方から霧がかかりはじめ、あっと言う間に西鎌尾根を霧が越え、見えなくなりました。もう少し見ていたかった。(-_-;)
小屋に戻り準備後、6時過ぎに下山します。ガスってます。でもまだ雨は降っていません。今日は、新穂高温泉まで標高差2,000mを一気におりるので足腰が心配です。岩のゴロゴロした飛騨沢をジグザグに下りていきます。途中から雨も降り出し、今日も上下カッパ姿です。(T_T)平日というのに登りの登山者も多いです。槍平小屋の屋内で休憩しオレンジジュースを購入し、ほっとひと息つきます。出発時には、雨も弱くなっていて、後は、頑張って歩くのみです。南沢、滝谷、チビ谷、白出沢と大きな沢を通過し、12時35分に新穂高温泉に下山しました。
バス停付近は改装中でトイレもバス停も仮設で以前の風景とは全く違う感じです。下山写真を撮って、車を預けている「深山荘」へは10分の歩きです。無料駐車場の入口に「深山荘」専用の駐車場があって車はそこに置かれていました。(もう少し上のホテルにしてほしかったなあ、もうこれ以上歩きたくない。) そして、「ひがくの湯」700円に入り、4日間の汗を落とし、食事をして帰途につきました。
(Y森 記)
裏銀座、ちょっときびしい、中高年 (-_-;)